ETFで投資できる海外の株価指数は?
- 東京証券取引所に上場する外国株ETFは68本(2024年5月末時点)
- 米国の株価指数なら「S&P500」「NYダウ」「NASDAQ100」などに投資できる
- 新興国株や全世界株を対象とするETFも多数設定されている
代表的な米国株価指数、「S&P500」「NYダウ」「NASDAQ100」
まずは米国から見ていきましょう。米国の株価指数といっても複数あります。その中でも日本の個人投資家にとって、一番なじみがあるのが「S&P500指数」かもしれません。
S&P500は、米国のインデックス・プロバイダーである「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」が算出している、米国株式市場の代表的な株価指数です。単純に時価総額が大きい500銘柄から構成されているのではなく、業種分散を考慮して指数が作られていることから、米国市場全体を代表する指数となっています。組入銘柄に占める、情報技術セクターおよびヘルスケア・セクターのウエートが高いのも特徴です。
S&P500の推移
(出所)ブルームバーグ
いくらS&P500が個人投資家の間では知られているとはいえ、一般的な知名度で言ったら「NYダウ」に軍配が上がるでしょう。正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」。1896年から算出され、現在に至るまで130年近い歴史があります。ただし、組入銘柄はたった30銘柄。米国株式市場に上場している数ある企業の中でも「より厳選された企業」で構成された指数といえるでしょう。
「NASDAQ100」は、ニューヨーク証券取引所と並びアメリカを代表する株式市場であるNASDAQ市場の時価総額上位100社(金融除く)で構成される株価指数です。世界を代表する米国のテックカンパニーが名を連ねている点が特徴です。
米国の株価指数を投資対象とするETFの例
2247 | iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし) |
2248 | iFreeETF S&P500(為替ヘッジあり) |
2840 | iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし) |
2841 | iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジあり) |
中国、インド、タイなどの新興国の株価指数に連動するETFもある
中国の株価指数への投資もETFなら可能です。中国の代表的な株価指数には、香港ハンセン指数と上海総合指数があります。また、昨今注目の指数としては「STAR 50」があります。これは上海証券取引所のイノベーションをリードする企業向けの市場である科創板(Science and Technology Innovation Board)に上場していて、時価総額が大きく流動性の高い50銘柄で構成される指数です。
もう1つ「 GBAイノベーション100インデックス」という指数も注目されています。これは香港・マカオ・中国の広東省の3地域の企業のイノベーションと発展のベンチマークとして設定された株価指数です。
中国の株価指数を投資対象とするETFの例
2628 | iFreeETF 中国科創板50(STAR50) |
2629 | iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100) |
中国以外にも、成長著しいインドの株価指数「Nifty50指数」や、タイの「SET50指数」、ブラジルの「ボベスパ指数」、マレーシアの「FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数」など、さまざまな新興国の株価指数に連動するETFが東証に上場されています。
迷ったら全世界株という選択肢も
ETFを使えば、1本で世界中の株価指数に投資することも可能です。代表的な選択肢には、「MSCIコクサイ指数」があります。米国のMSCI Inc.が開発した株価指数で、日本を除く世界主要国の株価指数を、各国の株式時価総額をベースに合成したものです。東京証券取引所に上場されている全世界株のETFは、この指数への連動を目指すものが多いようです。
投資対象を広げるのではなく、むしろフォーカスしたい――。そんなニーズを持つ投資家であれば、テーマ型の海外ETFを活用するという手もあります。業種で絞り込むとすれば、「半導体」「自動運転」「米国中小型」「米国テック企業」などをテーマとする株価指数が選択肢になるでしょう。