ETFと個別銘柄の違いとは?
- ETFも個別銘柄と同じように時価で売買を行います。信用取引も可能です
- ETFと個別銘柄の違いは、ETFは投資信託であること。ETFは分散投資の効果により、値動きは個別銘柄より小さい傾向があります
- ETFの最低購入価格は比較的低いですが、信託報酬というコストがかかるため注意が必要です
ETFも個別銘柄も、市場での時価で売買できる
ETFと株式(個別銘柄)の主な特徴
ETF | 株式(個別銘柄) | ||
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投資対象 | 複数の株式、債券、REITなど | 特定の1社の株式 | |
取引方法 | 取引時間 | 金融商品取引所の取引時間 (東京証券取引所の場合は平日9:00~11:30、12:30~15:00) |
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取引価格 | 市場での時価 | ||
取引場所 | 証券会社 | ||
注文方法 | 指値注文・成行注文 | ||
信用取引 | 可能(対応する銘柄は証券会社により異なる) | ||
PTS | |||
コスト | 取得時の費用 | 売買手数料(証券会社により異なる) | |
保有時の費用 | 信託報酬(年0.05~1%程度) | なし | |
売却時の費用 | 売買手数料(証券会社により異なる) | ||
収益 | 売却益・分配金 | 売却益・配当・ 株主優待 |
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購入金額の目安(※) | 約150円~56万円 | 約100円~800万円 |
ETFは、株式の個別銘柄と同じく金融商品取引所に上場している金融商品です。そのため、ETFと個別銘柄は多くの点で共通の特徴を持っています。
ETFは個別銘柄と同じく、市場での時価で、リアルタイムで変動する価格を見ながら取引できます。価格を指定して売買の注文を出す「指値注文」などの注文方法も、個別銘柄と共通です。
証券会社から資金や株式を借りて取引を行う「信用取引」や、証券取引所の時間外に売買できる「PTS」についても、個別銘柄と同様にETFも取引の対象になっています。ただし、対象となる銘柄は証券会社によって異なるので注意が必要です。
ETFは投資信託なので、企業の破たんで無価値になることはない
ETFと個別銘柄の最大の違いは、ETFが投資信託の一種であることです。1つのETFで複数の銘柄に分散投資できるため、その値動きは個別銘柄より小さくなる傾向があります。
例えば日経平均株価への連動を目指すETFの場合、投資対象は日経平均株価を構成している225社の株式です。仮に225社のうち1社が倒産し、上場廃止になったとしても、ETFの価格はいくらか下がるだけで、ゼロになることはありません。逆に、225社のうち1社だけが急成長して、株価が1年で5倍になったとしても、ETFの価格が大きく上昇するわけではありません。
一方、個別銘柄では企業が破たんしてしまうと、最悪の場合は株式が無価値になってしまい、投資家は大きな損失を抱えることになります。破たんを免れたとしても、業績が悪化すれば株価は下落し、配当も期待できなくなります。その半面、企業が急成長したときは株価が大幅に上昇し、短期間で大きな利益を得られる可能性もあります。
ETFには信託報酬というコストがある
ETFにあって個別銘柄にないものに、「信託報酬」というコストがあります。信託報酬とはETFの純資産から日々差し引かれる手数料で、ETFを運用・管理する運用会社と信託銀行に支払われます。信託報酬の年率は、ETFによって異なります。
同じ株価指数への連動を目指すETFでも、信託報酬の年率には差があります。信託報酬は、ETFを選ぶ際に重要な判断材料の1つとなります。
多くのETFは手頃な価格で買える
2024年5月17日時点では、ETF全325銘柄のうち、約半数に当たる153銘柄が、最低購入金額が1万円以下となっています。日経平均株価連動型のETFの多くは4万円前後で購入でき、TOPIX連動型であれば3,000円程度で買えます。
個別銘柄の最低購入金額は銘柄によって千差万別ですが、「値がさ株」と呼ばれる株価水準が高い銘柄の中には、2024年5月時点では最大で800万円を超えるものもあります(単元未満株のサービスを提供する証券会社では、値がさ株であっても少額で買える場合があります)。
どの銘柄であっても比較的買いやすいことも、ETFのメリットの1つといえるでしょう。