ETFと投資信託の違いとは?
- 共通点は複数の株式や債券などに投資できること。双方とも分散投資が行われるため、個別銘柄と比べて相対的に穏やかな値動きが期待できます
- ETFは株式と同じように、価格を指定した時価での取引ができますが、投資信託ではできません
- ETFは投資信託と比較して、信託報酬が低い傾向があります
ETFも投資信託も、複数の株式や債券に1本で投資できる
ETFと投資信託(非上場の公募株式投資信託)の主な特徴
ETF | 投資信託 | ||
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投資対象 | 複数の株式、債券、REITなど | ||
銘柄数(※1) | 約300 | 約6,000 | |
取引方法 | 取引時間 | 金融商品取引所の 取引時間 |
原則的に15時までに 申し込み |
取引価格 | 市場での時価 | 1日1回算出される 基準価額 |
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取引場所 | 証券会社 | 証券会社、銀行、 郵便局など |
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注文方法 | 指値注文・成行注文 | 基準価額を指定した 注文はできない 指定した金額に応じて 購入する口数が決まる |
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信用取引 | 可能 (対応する銘柄は証券会社により異なる) |
不可 | |
コスト | 取得時の費用 | 売買手数料 (証券会社により異なる) |
購入手数料 (購入額の0~3%程度 商品および証券会社 により異なる) |
保有時の費用 | 信託報酬 (投資信託より低い傾向) |
信託報酬 (ETFより高い傾向) |
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売却時の費用 | 売買手数料 (証券会社により異なる) |
一部の商品では 信託財産留保額 (売却額の0~0.3%程度) がかかる |
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収益 | 売却益・分配金 | 売却益・分配金 (元本払戻金を除く) |
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最低購入金額(※2) | 約150円~56万円 | 商品および金融機関 により異なる (100~10,000円程度が 一般的) |
ETFは「上場投資信託」とも呼ばれる投資信託の一種です。金融商品取引所に上場していない一般的な投資信託(公募株式投資信託)と同じように、1本で複数の株式や債券などに投資できます。分散投資の効果により、特定の企業の業績に左右されにくく、値動きが個別銘柄と比べて相対的に穏やかであることが、ETFを含む投資信託の大きな特徴です。
以前まで、ETFは株価指数や債券指数などへの連動を目指すインデックス型がほとんどでしたが、2023年には、特定の指数に連動しないアクティブ型のETFが登場しました。投資信託と同様に、ETFも多様化が進んでいます。
時価で買えるETF、購入時には価格がわからない投資信託
ETFは、株式の個別銘柄と同じようにリアルタイムで変動する価格を見ながら、売買したい価格を指定して取引できます。「○○円で買いたい」「△△円で売りたい」といった、いわゆる指値注文が可能です。
一方、投資信託の売買価格である基準価額は1日に1回だけ算出され、購入手続きの時点では「いくらで買えるか」がわかりません。投資対象が国内の資産であれば当日夜に、海外の資産であれば翌日の夜に基準価額が決まります。したがって、投資信託は「基準価額○○円で買いたい」という注文はできません。金額を指定しての購入はできるのですが、その場合は基準価額の変動によって、買える口数が変わることになります。
投資信託でありながら、株式と同じく時価で売買できることがETFの優れた特徴なのです。
ETFは信託報酬が低い傾向。売買時には手数料が必要
ETFも投資信託も、購入時、保有中、売却・解約時のそれぞれに費用がかかります。
ETFでは、購入時および売却時には株式の個別銘柄と同じく、証券会社が定める手数料を支払います。これに対し、投資信託は購入時と売却時で別々の費用が発生します。購入するときの「購入時手数料」は商品ごとに上限が定められており、販売会社(証券会社や銀行など)が料率を決定します。一部の投資信託では、売却・解約時に「信託財産留保額」という手数料がかかります。手数料率は商品によって異なります。
ただし最近では、購入時手数料や信託財産留保額がゼロの「ノーロード」と呼ばれる投資信託が増えています。ETFでもネット証券を中心に、売買手数料を無料とするサービスが徐々に広がりを見せています。
保有中にかかる費用が「信託報酬」です。ETFおよび投資信託の純資産から運用会社と信託銀行、販売会社へ日々支払われる手数料のことです。ETFは投資信託と違って、販売会社に信託報酬を支払わないため、信託報酬の合計は一般的に投資信託より低い傾向があります。