ETFの分配金利回りってどのくらいあるの?
- ETFの分配金利回りは、ETFの運用実績を確認する指標の1つです
- 2024年5月時点では、外国債券やREITのETFで分配金利回りが年率3%以上の銘柄が多くなっています
- 分配金利回りだけでなく、値上がり益と合わせて考えることが大切です
分配金利回りは運用実績の指標の1つ
ETFの分配金利回りとは、ETFの運用実績を確認する指標の1つです。投資金額に対して1年間でどのくらいの分配金が得られるかを示すもので、過去1年間の分配金の累計額を直近の基準価額で割って求めることができます。
例えば、過去1年間の1口当たりの分配金の合計が300円で、直近の1口当たりの基準価額が1万円のETFであれば分配金利回りは3%です。この分配金利回り3%の銘柄に100万円分を投資すると、年間3万円(税引き前)の分配金を受け取ることが期待できます。
持っているだけで定期的な収入が期待できるETFの分配金は、運用成果を実感しやすいため、銘柄選びの重要な要素と考える投資家は少なくありません。投資家が自身で配当利回りの高い個別株へ投資する場合、配当水準は魅力的ではあるものの、投資対象となる個別銘柄の調査や分析を行う手間がかかります。また、業績悪化などで配当金が減額となるリスクもあります。
これに対してETFは、例えば株価指数への連動を目指すETFであれば、指数のルールにあわせて定期的に銘柄を入れ替えているうえに、数十以上の銘柄に分散投資しています。そのため、減配や無配、株価の下落といった個別銘柄にまつわるリスクを低減できることが期待できます。
こうした観点から、分配金を重視する投資家の中には、高配当株式のETFやREIT(不動産投資信託)のETF、海外債券のETFなどに注目している方もいます。
分配金利回りが高い傾向があるETFとは?
分配金利回りは投資対象によって様々です。2024年5月末時点では、外国債券やREITに投資するETFで、分配金利回りが年率3%(税引前。以下同じ)を超える銘柄が目立ちます。国内株式のETFでも、高配当株式を対象とする銘柄では2%を超えるものもあります。
分配金利回りが比較的高い高配当株・外国債券・REITのETFの例
投資対象 | 銘柄コード | 銘柄名 | 分配金利回り (年率、税引前) |
国内株式 | 1651 | iFreeETF TOPIX高配当40指数 | 2.06% |
米国債券 | 2015 | iFreeETF 米国国債7-10年(為替ヘッジなし) | 3.07%※ |
米国債券 | 2016 | iFreeETF 米国国債7-10年(為替ヘッジあり) | 1.87%※ |
国内REIT | 1488 | iFreeETF 東証REIT指数 | 4.20% |
国内REIT | 2528 | iFreeETF 東証REIT Core指数 | 4.07% |
分配金だけでなく、値上がり益も合わせて考えることが大切
分配金利回りの高さは確かにETFの魅力の1つではありますが、分配金だけでなく、値上がり益も合わせたETF全体の収益を考えることが大切です。
分配金と値上がり益を合わせたトータルリターンは、運用会社のホームページやレポート(月報など)で確認できます。トータルリターンをきちんと確認したうえで、分配金を重視する場合には分配金利回りが高い銘柄を選ぶのがいいでしょう。