ETFっていつからあるの?
- 世界初のETFは、1990年にカナダで上場した『TIPS35』といわれています
- 日本初のETFは1995年に上場。連動する対象は「日経株価指数300」という指数でした
- 日経平均株価やTOPIXに連動するETFは2001年に初上場しました
- 2007年以降の規制緩和により、ETFを通じて世界中のあらゆる資産に投資できるようになりました
世界初のETFは1990年、カナダで生まれた
ETFは、1本買うだけで数十から数千もの個別銘柄を買うのと同じ効果が得られる、たいへん便利な金融商品です。そんなETFが世界で初めて登場したのは1990年、カナダのトロント証券取引所に上場した『TIPS35』といわれています。同取引所の35銘柄から成る株価指数への連動を目指す金融商品でした。
1993年には、米国を代表する株価指数「S&P500」への連動を目指す『SPDR S&P 500 ETF Trust』(ティッカーコード:SPY)が米国のアメリカン証券取引所に上場されました。『SPY』は上場直後こそ純資産残高がなかなか伸びませんでしたが、オンライン取引の普及などを追い風に、個人投資家にも徐々に広まっていきました。現在も世界最大級のETFとして、2024年にはETFとして初めて純資産総額が5,000億米ドル(約78兆円、1ドル=156円で換算)を突破しました。
ちなみに、世界初のETFとされる『TIPS35』は、同じくカナダ株式を投資対象とする別のETFとの併合を経て、現在は「iShares S&P/TSX 60 Index ETF」(ティッカーコード:XIU)として運用が続けられています。
世界初のETFが生まれたとされるカナダのトロント証券取引所
日本では1995年にETFが初上場。対象指数は「日経300」
米国株式市場に遅れること2年、日本にETFが初めて上場したのは1995年のこと。記念すべき日本初のETFが連動を目指した株価指数は、日経平均株価でもTOPIX(東証株価指数)でもなく、「日経株価指数300」という、一般にはあまりなじみのない指数でした。
1995年の日本といえば、バブル経済の崩壊を経て、株式市場の低迷が色濃くなってきた時期です。市場活性化に向けた方策としてETFが新たに導入されたのですが、その仕組みは現在と異なり、連動する対象として日経平均株価やTOPIXを選べないなど、さまざまな課題がありました。そうした事情から、ETFの純資産残高は伸び悩むことになります。
国内株式市場でETFが本格的に広まるには、2001年の法改正、さらには2007年の規制緩和を待たなければなりませんでした。
2001年に日経平均株価・TOPIXのETFが登場
最初の転機は、2001年6月の法改正でした。ETFを組成する仕組みが見直され、東京証券取引所は新たにETF市場を開設しました。これを受けて同年7月、日経平均株価やTOPIXへの連動を目指すETFが初めて上場。個人投資家にとって、ETFが少しずつ身近なものになっていきました。
そして2007年からの規制緩和により、国内の特定の株価指数だけでなく、債券指数や海外の株価指数、金などの商品価格や商品先物価格を対象としたETFを設定できるようになりました。翌2008年以降、ETFの銘柄数は飛躍的に増加していきます。
2023年には「アクティブ運用型」のETFが登場するなど、ETFは多様化を続けています。現在ではETFを通じて、誰でも手軽に世界中の多様な資産に投資できます。
国内ETF 銘柄数と純資産総額
※データ期間:1995年4月末~2024年3月末