ツミレバ博士の「レバレッジ活用講座」

10時限目 米国3倍4資産は金融ショックに強い!?過去の下落局面を解説!

8時限目で「高リターン、資産の分散、大きな下落の回避」が期待できる新時代の投資術「レバレッジド・バランス」の具体例として“米国3倍4資産”※を紹介しました。

※米国の株式、REIT、債券、金の4資産をリスクパリティで配分してレバレッジを3倍かけたポートフォリオ

今回は、昨今株高が進む中、「そろそろ大きな下落が来るのではないか…」という不安の声も高まっていると考え、米国3倍4資産に期待できる要素のひとつである「大きな下落の回避」に注目します。

リーマンショックチャイナショックといった過去の大きな下落局面において、レバレッジ投資はシミュレーション上、どのような結果になったのでしょうか!?

ツミレバ博士が解説します!

レバレッジ投資に興味のある方は必見です!

ツミレバ博士

さまざまな投資手法を分析している研究家、博士。「常識を疑え」が信条。

レッジ(助手)

最近就職した新社会人、若者。博士の研究所の近所に住んでおり、小さいころから博士の研究室に出入りしている。

ケース① リーマンショック


レッジ

今回は米国3倍4資産の過去の下落局面に注目するんだね。ぶっちゃけどうなの?


博士

ふむ、まずは代表的な下落局面、リーマンショックにおけるケースを見てみよう。米国3倍4資産と各資産の騰落率をチェックじゃ。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

米国株や米国REITが40~60%下落する一方、米国3倍4資産の下落は25%程度に収まってる!


博士

米国債と金が良いクッションになったんじゃ。パフォーマンスの推移も確認してみよう。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

こう見ると米国債と金が米国3倍4資産のパフォーマンスを支えているのがわかりやすいね。

 

ポートフォリオ全体としては3倍のレバレッジがかかっているのに、単独の株やREITよりも下落幅が小さいってのは、なんか直感的には不思議な感覚がする…


博士

その不思議な感覚の答えは「米国3倍4資産」ポートフォリオの資産の配分にある。

 

「米国3倍4資産」ポートフォリオにおける資産比率の推移を見てみよう。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

あれ? 米国株と米国REITは両方のウェイトを足しても100%を超えていないんだね。比較的リスクの高い株とREITにレバレッジはかかってなくて、むしろレバレッジがかかっているのは債券なんだ。


博士

各資産のリスク(値動きの大きさ)が均等となるように配分する“リスクパリティ”の結果じゃ。

 

ポートフォリオに3倍ものレバレッジがかかっているとは言え、資産を分散して値動きの大きさを均等に配分したことで、米国3倍4資産の下落幅は株やREITより抑えられたんじゃ。

ケース② チャイナショック


レッジ

2015年のチャイナショックの時はどんな感じなの?


博士

ふむ、リーマンショックの時と同様、まずは各資産の騰落率をチェックじゃ。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

おお! 米国3倍4資産は下落どころか上昇してる!


博士

債券と金の上昇が良い影響を与えておる。パフォーマンスの推移も確認してみよう。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

株やREITが下落する局面で債券と金は相対的にパフォーマンスが良いね。


博士

うむ、下落局面における債券と金の強さが表れておる。「米国3倍4資産」ポートフォリオにおける各資産の比率推移はこのような感じじゃ。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

リーマンショックの時と同様、米国株とREITのウェイトは合計しても1倍を超えていないんだね。


博士

“リスクパリティ”の結果、特定の資産の影響を受けにくくなり、各資産のパフォーマンスを均等に享受できた結果と言えるじゃろう。

ケース③ 2018年後半の下落局面


レッジ

そんじゃ最後に比較的最近だけど、2018年後半の下落局面はどう?


博士

こちらもまずは各資産の騰落率をチェックしてみよう。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

おお! リーマンショックの時と同様、米国3倍4資産は米国株や米国REITと比べると下落幅が抑えられているね!


博士

今回も債券と金が良い働きをしたんじゃな。パフォーマンスの推移はこんな感じじゃ。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

米国株と米国REITがボロボロと崩れる中、米国債は安定的に推移して、金は上昇、これが米国3倍4資産のパフォーマンスに貢献しているんだね。


博士

そうじゃ。複数の資産へ分散かつレバレッジをかけることで良い相乗効果が出現しておる。

 

「米国3倍4資産」ポートフォリオにおける資産の比率推移も確認しておこう。

(博士)上記はあくまで過去のデータを用いた結果を示したものであり、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではないぞ。


レッジ

今回も米国株とREITのウェイトは合計しても1倍を超えない水準で推移。

 

「米国3倍4資産」ポートフォリオ全体としては3倍のレバレッジがかかっているとは言え、リスクパリティで資産配分することで、相対的にリスクが大きい株とREITのウェイトは抑えられるんだね。


博士

うむ、その結果、大きな下落局面において株やREITより米国3倍4資産のパフォーマンスは相対的に良かった。

 

もちろんあくまで過去のシミュレーションの結果ではあるが、米国3倍4資産には「大きな下落の回避」を期待できるのではないだろうか。

 

それではまた次回会おう!

おしまい

 

【当記事に関連するファンドについて】
米国3倍4資産リスク分散ファンド(隔月決算型)
米国3倍4資産リスク分散ファンド(年2回決算型)
米国3倍4資産リスク分散ファンド(毎月決算型)

※シミュレーションで使用したデータについて
・「米国3倍4資産」ポートフォリオのシミュレーションにおいては、株式、債券、金は先物での運用、REITは現物での運用を想定
・「米国3倍4資産」ポートフォリオにおける株式はS&P500指数の先物指数、債券は米国10年国債の先物指数、金はS&P GSCI Goldの先物指数を使用し、REITはS&P米国REIT指数(配当込み、円ベース)を使用
・先物指数はすべてエクセスリターン、米ドルベース

※使用した指数について
S&P500指数、S&P GSCI GoldおよびS&P米国REIT指数はS&P Dow Jones Indices LLCの登録商標です。

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インベスタイムズ編集部

ライター

インベスタイムズ編集部

マジメに面白く考えることで投資への理解が深まる、そんなメディアをめざしています。

奈良裕己

イラストレーター

奈良裕己

イラストレーター・漫画家。雑誌・書籍・Web・テレビなどジャンルや媒体を問わず幅広く活動中。投資信託と株主優待目当ての株を数年放置中なので、そろそろちゃんと勉強して資産運用したいと考えている。単行本「いとしの印刷ボーイズ」(学研プラス)発売中。

http://www.bomanga.com/