世界中のさまざまな資産がバトルを繰り広げるIWAB(インベス・ワールド・アセット・バトル)。
前回「先進国株VS米国株」の対戦において、先進国株に勝利した米国株。近年の好パフォーマンスと相まって、積立投資の手段として先進国株と人気を二分するほどの勢いが米国株にはあります。
そんな米国株の中でもとりわけ注目を集めている資産が「米国ハイテク株」です!
注目度の高い資産「米国ハイテク株」。果たしてその実力や如何に!?
ROUND5、米国株と米国ハイテク株の対決スタートです!
これまでのバトルはこちら
ROUND1 株と債券、強いのはどっち!?
ROUND2 日本株と先進国株、強いのはどっち!?
ROUND3 先進国株と新興国株、強いのはどっち!?
ROUND4 先進国株と米国株、強いのはどっち!?
本日の対戦カードについて
みなさんこんにちは!! IWABの実況を担当する岩淵汗人です!! そしてこちらは解説担当のミスターTです!!
どうも。今回もよろしくですじゃ。
本日の対戦カードは米国株と米国ハイテク株! 最近の積立投資界わいで人気に勢いがある米国株ですが、そんな米国株の中でも最近注目を集めているのが米国ハイテク株です。
ミスターT、米国ハイテク株とはどのような資産なのでしょうか?
米国ハイテク株はその名の通り高度な技術を有する企業の集まりであり、最近ではGAFA(ガーファ:Google、Apple、Facebook、Amazon)と呼ばれる企業がその代表例じゃ。現代を牽引する企業群といっても過言ではない、それほどの存在感が今の米国ハイテク株にある。
ミスターTのコメントを受けて、米国ハイテク株のパフォーマンスへの期待が高まってきました。それでは、選手の準備ができたようです。選手入場です!
米国株と米国ハイテク株、選手紹介!!
さあ! ついに実現しました! 米国株と米国ハイテク株の対決! 米国株キャラはアメリカンな雰囲気満載ですが、一方の米国ハイテク株は現代のハイテクノロジーを結集した人型ロボットの装いであり、まさにハイテクキャラといった感じですね。
(2000年代のITバブルで一度、木っ端微塵に弾け飛んだからのぅ……チューニングを重ね、近年になってようやく本領を発揮できたんじゃなぁ)
相変わらずミスターTがボソッと何か言っていますが、とりあえず選手紹介は以上です! ところで、ミスターT! パフォーマンス計測の指標は何にしたらよいでしょうか?
ふむ、米国株はS&P500指数、米国ハイテク株はハイテク株の代名詞的存在である「NASDAQ100指数」を使おう。
それではルールの説明です。
ルール説明
ルールは前回同様、各資産へ毎月3万円、約20年にわたって積立投資(円ベース)した結果、「パフォーマンスが良い=積立投資の評価額が大きい」のはどちらの資産か、2つの資産の長期にわたるバトルを見てみよう。
ありがとうございます! それでは、いよいよバトル開始です!
米国株と米国ハイテク株のパフォーマンス
さあ! 結果が出ました! 長期積立投資の結果、米国株の積立投資の評価額は約1,700万円! 一方、米国ハイテク株は約2,500万円! 米国ハイテク株の勝利です! 前回の対戦で先進国株に対する米国株の勝利要因が米国ハイテク株でしたから当然の結果と言われればそうですが、まさか約800万円もの差が付くとは…。
成長期待が高い米国ハイテク株へ投資マネーがドンドン流入したんじゃ。その結果、米国ハイテク株は米国株の中でも突出したパフォーマンス結果を叩き出した。特に貢献したのが上述のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)、巨大ハイテク企業である。
次の表を見てくれ。各指数を構成している企業の「時価総額TOP10=各指数の中での大きな企業ランキング」じゃ。
どちらの指数の上位にもGAFAがズラッと並んでいますね…その巨大さがわかります。あれ? でも良く見ると、構成比率は違いますね…。
良いところに気が付いた。それでは次の円グラフを見てみよう。各指数におけるGAFAが占める割合を示しておる。
米国株の指数に占めるGAFAの割合は10%程度ですが、米国ハイテク株では30%を超えている!
株価のハイパフォーマンスを達成してきたGAFAの占める割合が高い、だから米国ハイテク株は約800万円もの差を付けて米国株に勝利できたんですね。
「米国ハイテク株=NASDAQ100」という前提じゃが、米国ハイテク株は特定の企業および業種に偏っており、その偏りゆえにハイパフォーマンスを達成できたとも言える。これは一方で、特定の企業や業種が不調な時は、その偏りゆえにパフォーマンスが大きく悪化する可能性もあるということじゃ。
ということは、「米国株=S&P500」の場合は各企業の偏りが少ないため、米国ハイテク株ほどのハイパフォーマンスは期待できないかもしれないが、米国ハイテク株ほど下落する可能性も低い、ということでしょうか?
そういうことじゃ。このように、米国ハイテク株のハイパフォーマンスのみに注目するのではなく、その資産の特性もしっかりと把握して、投資するか否かを自分自身で考えることが大切じゃ。
ハイパフォーマンスにすぐに飛びつくのではなく、しっかり検討しなきゃいけないってことですね。大切なポイントを押さえたところで本日はおしまいです。次回、米国ハイテク株に敗れた米国株が再起をはかります。いったいどんな展開になるのか!? 次回もお楽しみに!
※使用した指数について
・S&P500指数はS&P Dow Jones Indices LLCの登録商標です。
・NASDAQ100指数はNasdaq,Inc.の登録商標です。
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IWAB インベス・ワールド・アセット・バトル!! ~長期投資向き資産、頂上決戦!!~
イラストレーター・漫画家。雑誌・書籍・Web・テレビなどジャンルや媒体を問わず幅広く活動中。投資信託と株主優待目当ての株を数年放置中なので、そろそろちゃんと勉強して資産運用したいと考えている。単行本「いとしの印刷ボーイズ」(学研プラス)発売中。
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