世界中のさまざまな資産がバトルを繰り広げるIWAB(インベス・ワールド・アセット・バトル)。
前回「先進国株VS新興国株」の対戦において、新興国株に僅差で敗戦した先進国株ですが、その人気に陰りはなく、積立投資の手段として定番化しています。一方、ここ最近になって人気を集めている注目の資産があります。それが「米国株」です!
今回の対戦は人気者対決です。積立投資で多くの支持を得ている「先進国株」に「米国株」はどう挑むのか!?
ROUND4、先進国株と米国株の対決スタートです!
これまでのバトルはこちら
ROUND1 株と債券、強いのはどっち!?
ROUND2 日本株と先進国株、強いのはどっち!?
ROUND3 先進国株と新興国株、強いのはどっち!?
本日の対戦カードについて
みなさんこんにちは!! IWABの実況を担当する岩淵汗人です!! そしてこちらは解説担当のミスターTです!!
どうも。今回もよろしくですじゃ。
本日の対戦カードは先進国株と米国株! 積立投資界わいでは先進国株一強の時代が続いていましたが、そこに待ったをかけたのが最近の米国株です。米国株は先進国株の一部でもありますが、米国株単体の資産として人気が出てきました。今回はまさに人気者対決ですね。
ミスターT、そんな米国株ですが、具体的にはどのような資産なのでしょうか?
米国株は先進国の中では相対的に高成長が期待されている資産じゃ。米国にはマイクロソフトやアップル、アマゾンといった世界でも名だたる大企業はもちろん、未来の大企業候補となる新進気鋭の新興企業まで、さまざまな企業が存在しておる。
米国は先進国の中でも起業しやすい国であることから新陳代謝が活発で、次から次へと新たなサービスや製品を提供する企業が出現するのも魅力のひとつなんじゃよ。
確かに最近は革新的なサービスや製品を提供する企業が多いイメージが米国株にはあります。それでは、選手の準備ができたようです。選手入場です!
先進国株と米国株、選手紹介!!
さあ! ついに実現しました! 先進国株と米国株の対決! 堅牢な印象のある先進国株キャラとは対照的に、アメリカンな雰囲気満載の米国株キャラ! めちゃめちゃ派手ですね…。
(最近になってようやく人気が出てきたけど、ひと昔前は見向きもされなかったからのぅ…久しぶりの表舞台、派手にもなるわなぁ…)
相変わらずミスターTがボソッと何か言っていますが、とりあえず選手紹介は以上です! ところで、ミスターT! パフォーマンス計測の指標は何にしたらよいでしょうか?
ふむ、先進国株はMSCIコクサイ指数、米国株は米国の代表的な株価指数である「S&P500指数」を使おう。
それではルールの説明です。
ルール説明
ルールは前回同様、各資産へ毎月3万円、約20年にわたって積立投資(円ベース)した結果、「パフォーマンスが良い=積立投資の評価額が大きい」のはどちらの資産か、2つの資産の長期にわたるバトルを見てみよう。
ありがとうございます! それでは、いよいよバトル開始です!
先進国株と米国株のパフォーマンス
さあ! 結果が出ました! 長期積立投資の結果、先進国株の積立投資の評価額は約1,500万円! 一方、米国株は約1,700万円! 米国株の勝利です! 両資産は全体的に似たような推移ですが、2014年以降、差が開いた印象です。ミスターT、これはなぜなのでしょうか?
ずばり、米国ハイテク株じゃ。FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)あるいはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)と呼ばれる企業を中心とした米国ハイテク株に投資マネーが流入し、米国株全体のパフォーマンスを押し上げたんじゃ。
その結果、先進国株の中でも米国株のパフォーマンスが良好となり、2014年以降の差を生んだというわけじゃ。
なるほど、米国ハイテク株が絶好調だったんですね。それにしても、2014年以降は差が開いたとはいえ、なぜ先進国株と米国株は似たような評価額の推移となったのでしょうか?
ふむ、資産の特性を理解するための良い質問じゃ。次のグラフを見てほしい。これは先進国株インデックス(MSCIコクサイ指数)に連動するインデックスファンドの国別構成比率を示しておる。
約7割が米国なんですね…。
そう、実は先進国株とはいえ、その大多数が米国株なんじゃ。その他の国の比率は米国株の半分にも満たない。この傾向は2018年12月末だけではなく、2014年以前もそうであった。つまり、先進国株は米国株のパフォーマンスの影響を大きく受けるということなんじゃ。
だから先進国株と米国株は似たような評価額の推移となったのですね。
そうじゃ。ただし、米国株の比率が大きく、その他の国の比率が小さいという傾向が未来永劫続くという保証はどこにもない。数十年先には、米国以外の国の比率が大きくなっている可能性もある。さまざまな可能性を自分で考えて、投資先を選ぶのが重要なんじゃ。
過去の結果を踏まえつつ、しっかりと自分で考えるのが大切ですね。重要なポイントを押さえたところで本日はおしまいです。次回は米国株の堅調なパフォーマンスの立役者である「米国ハイテク株」が登場します! お楽しみに!
第5回「米国株VS米国ハイテク株」はコチラ!
※使用した指数について
・MSCIコクサイ指数およびMSCIエマージング指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利はMSCI Inc.に帰属します。
・S&P500指数はS&P Dow Jones Indices LLCの登録商標です。
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IWAB インベス・ワールド・アセット・バトル!! ~長期投資向き資産、頂上決戦!!~
イラストレーター・漫画家。雑誌・書籍・Web・テレビなどジャンルや媒体を問わず幅広く活動中。投資信託と株主優待目当ての株を数年放置中なので、そろそろちゃんと勉強して資産運用したいと考えている。単行本「いとしの印刷ボーイズ」(学研プラス)発売中。
格闘技を専門とする30代半ばの実況アナウンサー。妻子持ち。格闘技の観戦はもちろん、自らも総合格闘技のジムへ通うほど格闘技への熱が高い。解説のミスターTとはジムの顔見知り。最近は資産形成への熱が高い。