家族ができると考えはじめるのが、将来のお金のこと。今回、資産形成について勉強中のライター、shin5さんと5歳さんに、家族とお金についてお伺いしました。
おふたりは、30歳前後で結婚し、現在子育て中というライフステージ。だからこそ、共通する悩みを抱えています。私生活では友人同士ということもあり、リアルなお金の話が飛び交う対談になりました。
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子育てしながらお金について学ぶ
——おふたりにお聞きします。お金についての不安や悩みはありますか?
それはもう常にありますね。僕には4人の子どもがいるけど、いつも想像以上に出費があるな、と感じています。
例えば、食費。食べ盛りだから外食に行くとたくさん食べるし、僕も食べさせてあげたいからお金が必要だと思う。
将来のための教育費にお金がかかるのはもちろんなんですが、それだけじゃない。普通に生活しているだけでも、思っていた以上にお金が必要です。
靴とかもすぐボロボロになるもんね。「どんな生活してるの?」ってくらい。
3日前に子どもに買った靴がもう穴空いてて、驚きましたよ。よく“お下がり”っていうけど、うちの場合は「お下がる」ことができない(笑)
それに、5,000円くらいする服でも、子どもに着てほしいと思うと買っちゃう。自分が着ている服なんて1,000円とかだったりするのに(笑)
うちは長男が高校生。今でこそ出費は減ったと思いますが、振り返ると中学校に入るまでが一番お金がかかった気がしますね。
僕の場合は子どもに必要なものだけではなく、自分の好きなものもめっちゃ買ってて。
本なんかも気になったものは全部買ってるから、月で4~5万円は使ってる気がします。
でも、自分が着る服は高いものを買わなくなりましたね。セールの時にファストファッション系のお店でまとめて買うみたいな工夫はしてます。やっぱ、取捨選択しなくちゃいけないから。
…靴はこだわりがあるからたくさん買ってるんですけどね(笑)
結局買ってるんだ(笑)
基本、僕とshin5さんは真逆だよね。僕は「使う分稼げばいいんじゃん」っていう考え方。
この前Twitterで「死ぬ時に節約してよかったと思う人はいないんじゃないか」みたいなツイートを見たけど、どちらかというと僕はそういう考えで。
つまり、節約するよりもどんどん使って、その分稼ぎたい。
借金地獄だった20代。抜け出せたのは家族ができたから
そんな性格だから、僕の20代は借金まみれで。お金もないのにクレジットカードを切って海外旅行に行きまくってたから、最大で300万円くらい借金があった(笑)
「銀行の残高5,000円」みたいな生活をずっとしてたから、100万円超えたのなんて本当に最近のことですよ。未来のことなんか全然考えてなかった。
まあ、自分の意思で海外旅行に行くために使って楽しんでいたから、後悔はしていないけど。
でも、その時は借金地獄でやばかった。バイトだけで60万円稼がないと返せない状況で、1日19時間働いてたもん。しかも、その借金がある時に結婚したからね。
えっ、マジで?
借金については今の妻とお付き合いし始めたとき、すぐに言っておかないといけないと思った。「なんでそんなに働いてるの?」って聞かれて素直に事情を話したけどね。阿佐ヶ谷の夜の公園で。
妻にはあのころに苦しい思いをさせたから、罪償いの気持ちもあって「寿司は好きな時に食べる」っていうのが、今の僕らの約束になってる。
実は僕も20代の時、200万円の借金があって…。
えっ、そうだったんだ。仲間じゃん(笑)
双子が生まれる前後の頃で、そのときは自分で家計を管理していたんだけど、まだスーツを着て会社勤めをしていて。
部下もいてチームを持つ立場だったから、飲み会行ったり、部下の悩み相談なんかで、自分がお店のお金を払ってた。
そのお金を借金してまかなっていたのが200万円くらいに膨らんで、もう破産状態になっちゃってて。妻はもうすぐ出産という状況だったから、絶対そんなこと言えないし…。
その借金はどうしたの?
結局妻にバレて離婚するかしないか…ってところまでいったんだけど、最後は妻の両親に頭を下げて。そうしたら「200万円くらいで悩むなら1回リセットしなさい」って助けてもらって。
それからはもう自分にはお金の管理ができないと思って、妻に任せるようになった。
衝動買いしないようにして、今の僕のお小遣いは2万円。ふたりの共通の趣味でライブに行ったりする時は別計算にしてるけど。
でもそこでちゃんと奥さんと対話できるのが、さすがshin5さんだなと思う。
いや、なかなか言えなかったよ。最後にはもう、そうしないといけないくらい追い詰められたんだよね。
催促の電話がかかってきて、仕事にも集中できないし、大変だった…。
うん、借金は精神的に追い詰められるよね。でも、借金にはいい面もあると最近思ってて…(笑)
え、借金のいい面って?
僕は、借金を返済した経験があったからこそ、お金を貯められるようになると思ってる。
返済のために稼ぐ力が身につくし、完済したら毎月20万円とか30万円返済していた分を、丸ごと貯金できるようになるっていう(笑)
それで、ようやく貯金をしはじめたから資産形成というか、投資にも挑戦できるようになった。
ここまで話してきた通り、僕は本当に先のことを考えていなかったんだけど、やっぱり家族を持ったことで変わった部分は大きいと思う。
お金があれば子どもが欲しいものをいっぱい買ってあげられるし、妻にも外食させてあげられるし、やっぱり「お金があることで感じられる幸せもあるよな」とは思うんです。
家族にあんまり我慢させたくないしね。
うん。正直、結婚してなかったら今も借金していたと思う。
家族がいると自分だけの話じゃなくなるから、そこでスイッチが入った気がする。家族に対する責任が生まれた時に「お金を持ってなきゃ」ってことになった。
今の仕事がずっとできる保証はない。だから投資は必要
——おふたりは、具体的な資産形成のプランってお持ちですか?
僕の場合、ファイナンシャルプランナーに将来を見据えたうえでのマネープランを作ってもらっています。
子どもの養育や自分たちの老後にどれくらいお金がかかるかというのを見積り、その分を想定した貯金をしたり、月5万円くらいの予算を複数の保険に振り分けて積み立てしたりしています。
将来的に妻と雑貨屋や喫茶店をやりたいので、そのためにお金を貯める必要があるし。
堅実なビジョンがあるshin5さんの後に話すとバカみたいだけど、僕は3億円貯めようと思ってます。というのも、3億円あれば大抵のことは解決できるだろうから。
1億円だと節約しないといけない感覚があるけど、3億円なら毎日寿司が食べられる。
僕は口に出すことで実現できるとマジで思っているタイプなので、これはどんどん言っていきたいですね(笑)
投資で3億円作るってこと?
投資で増やすしかないと思ってる。
仕事で作るとしたら、原稿何千本書けばいいんだって話になるので。だから投資で地道に増やしていって、ゆくゆくは外国株式にも投資していって…という感じかな。
今のインフルエンサーライターという仕事がいつまでも続くとは思っていないから、投資のことはちゃんと勉強していきたいなと思ってる。
僕は今回、「投資家0年生のリアル投資日記」の連載で3ヶ月間の投資にチャレンジしてきて、次からはshin5さんにバトンタッチするわけだけど、どうやっていこうと思ってるの?
具体的な投資方法はこれから考えていこうと思ってるけど、とりあえずは貯蓄が100万円あれば、投資にも同じ100万円を回して、どっちかが増えたら同じ額にそろえていくようにして一緒に増やしていきたい。
あと30~40年は働くだろうから、高望みせずに貯蓄と投資のお金をそれぞれ1,000万円まで増やすのを目標にしたいですね。
僕は毎月30万円ずつ投資用のお金を増やしていってる。元手が少ないと利幅も狭いから。
ぜひ投資を楽しんでやってほしいな。投資にはお金を増やすっていう目的もあるけど、世界の見方が変わってくる面白さがあるから。
1年後にお互いの成果を見比べましょう。もしかするとそのころには「shin5さん、お金ちょうだい」なんて言ってるかもしれないけど(笑)
「もう、先月あげたばかりじゃない」なんてね(笑)
「投資で増やして返すから!」って(笑)
次回からshin5さんの投資チャレンジ「shin5のリアル投資日記」が始まります。5歳さんはデイトレードに果敢に挑戦しましたが、果たしてshin5さんはどんな資産形成を行っていくのでしょうか。お楽しみに!
- 当記事は投資啓蒙を目的に作成したものであり、大和投資信託では個別の投資相談は承っておりません。
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投資家0年生のリアル投資日記
編集者/ライター/フォトグラファー/合同会社ホワイトライトCEO。音楽・カルチャー・広告等の分野にてフリー編集者・ライター・カメラマンとして取材や執筆、スチル撮影、コンテンツプロデュース、コンテンツマーケティングのプランニングやコンサルティングを行っている。
1986年生まれの33歳。5つ年上の妻、15歳の男子高校生、8歳の男女の双子、2歳の娘の6人家族。Twitter(@shin5mt)での日常ツイートが話題となり、2015年に漫画化。元システムエンジニアで、現在は小説家、SNSプランナーとして活躍する。漫画「結婚しても恋してる」(KADOKAWA)、ハリネズミフォトエッセイ「ボクの針は痛くない」(あさ出版)が発売中。