前回、居酒屋で大将から積立投資の話を聞いた先輩・後輩サラリーマン2人組は休暇を利用してゴルフ場へ。時を同じくして積立投資を始めてみようと決意した2人組であったが、「ファンドの数、多すぎやろ…」「どうやってファンド選んだらええねん?」「なんかええ方法ないんか?」などなど新たな悩みは尽きない…そこに颯爽と現れる大将!! 今日はどんな流儀を語る?
つみたてNISA対象ファンドっちゅーのがあるんや!!
先輩、僕、積立投資を始めようと思うんです。
ほんまか! 実は俺もや! この前の大将の話聞いてやってみよう思て。
おー、同士ですやん。どのファンドに投資するか決めました?
いや、そこまでまだいってへんわ。
そうですか、ほんならビックリしますよ。
なんでや?
日本にある公募のファンド、全部で6,000本ぐらいあるんですよ!
6,000!! そんなん選べるかいな!
でしょ? 僕、途方に暮れましたわ。
なんかうまいこと選んでくれるサービスとかないんか? こん中から選びや~みたいな。
そんな都合ええのあります?
大将!
え、なんかええのあるんです?
実はな、つみたてNISA対象ファンドっちゅーのがあるんや。
なんなんですか、それは?
簡単に言うとやな、低コストで長期運用に適したファンドのラインアップや。
えー、それほんまに信用できるんです?
このラインアップに入るには一定の基準をクリアせなあかんねん。
どんな基準なんです?
インデックスファンドとバランスファンドが基本やねんけど、ファンドが連動をめざす指数(インデックス)は、金融機関を監督する立場にあるお上の金融庁が認めた長期投資向きの指数しかあかんねん。しかも低コスト限定や!!
インデックスファンド
インデックスファンドとは、例えば、日経平均株価(日経225)やTOPIXといったインデックス(指数)と同じ値動きをするような運用をめざすファンドです。
バランスファンド
バランスファンドとは、投資対象として株式や債券、REIT(不動産投資信託)など値動きの異なる資産を組み合わせて運用するファンドのことをいいます。つみたてNISAの対象となるバランスファンドにおける各資産への投資は、インデックス投資(このケースでは金融庁が認めた指数への連動をめざす運用をいいます)に限定されています。
おー、それなら信用できますやん!
で、そのファンドは何本くらいあるんです?
インデックスファンドとバランスファンドで、140本くらいや。
おー、めっちゃ減りましたやん!! 6,000から140!!
でも140でも多くないです? 僕、選べる気しませんわ。
大丈夫や。単一指数への連動をめざす株式型のインデックスファンドで言えば、実質的な選択肢は12個や。
おー、12個! 6,000からようここまできましたな~。
なんで12個かっちゅーとな、金融庁が認めた株式指数は12個しかないからなんや。でも、その12個の指数に連動をめざすインデックスファンドが運用会社ごとにあるからファンドの本数自体は何十本とかになってしまうんや。せやから、単一指数への連動をめざす株式型のインデックスファンドで言えば、実質的な運用の種類は12個っちゅーことなんや。
なるほど。でもその12個からはどうやって選んだらええんです?
コストや!! コストが一番安いやつ選ぶんや!!
コスト?
せや。ファンドを保有している時にかかる費用、信託報酬とかのことや。運用管理費用とも呼ぶらしいで。ネットで調べてん。コストが一番安いやつ選べばええんでしょ、大将?
いや、実はコストよりも大事なことがあんねん。
コストよりも大事なこと
コストよりも大事なこと? そ、それは!?
投資先の選定や。今回のケースでいう投資先は、日本株に投資するファンドや米国株に投資するファンド、あるいは先進国の株式に投資するファンドっちゅー意味や。もちろんコストもめちゃくちゃ大事やで。けどな、長期投資するからには、投資先の選定のほうがもっと大事やねん。進学先選ぶよりも、就職先選ぶよりも大事かもしれん。
簡単なことや。例えば、コスト安いファンドと高いファンドがあったとして、それぞれ投資先は異なるとするで。そいつらに20年間投資した結果、コスト安いファンドはコスト込みで2倍のリターン、一方高い方はコスト込みで3倍のリターン、どっちがええ?
そらコスト高いほうや! 2倍よりも3倍のリターンや!
せやろ。せやからまずはしっかりと将来期待できる投資先を選ぶ、コストはその後や。これを忘れたらあかんで。まあ、つみたてNISA対象ファンドなら低コストの商品に限定されとるからその点は安心や。
で、結局、具体的には、どないしてファンド選んだらいいんです?
簡単や。将来期待できる「指数=企業の集まり」はどれかと考えて、その指数に連動をめざすインデックスファンドの中から一番コストの低いやつを選んだらええねん。
なるほど。
例えば、将来期待できる企業が米国に多いと考えて米国株インデックスファンドの中から一番コストの低いやつ、新興国の企業が期待できると考えて新興国株インデックスファンド、具体的にどこの国・地域が期待できるかはわからんけど、世界全体の経済成長は期待できると考えて全世界株インデックスファンド、みたいな感じで考えてみるのもええんちゃうかな。
なるほど、 ちょっと考えてみますわ!
俺は全然わからんなぁ…とりあえず全世界株にしよかな~。
人それぞれでええんやで。
ちなみにつみたてNISA対象のバランスファンドはどうなんです?
バランスファンドは複数の資産に投資するっちゅーこともあって、株式だけに投資するファンドより値動きが少ない傾向があんねん。せやから、株式ファンドの値動きが自分にとって大きすぎると感じる人は、最初はバランスファンドから挑戦してみるのもありやで♪
す、すんまへん!!
(こわっ)
おしまい
協力:青木雄二プロダクション