早速ですが、マーシュさんは投資をしていますか?
母が株式投資をしているので、ずっと興味はあります!ニュースでちょっと気になった会社があると、母とその会社について話すこともありますね。ただ、自分ではまだやったことがないんです…。
家族が投資をしていたら、自然と興味を持ちやすくなるかもしれませんね。ほかにまわりで投資をしている人はいますか?
お仕事で年上の方とご一緒する機会が多いんですけど、みなさん空き時間によく投資の話をしていますね。私も話に入りたいんですけど、自分でやったことはないから、なかなか会話に混ざれなくて…。
なるほど。芸能界の投資事情、僕も気になります(笑)。ちなみに同世代で投資をしている人は?
関心を持っている人はすごく多いですね。ただ、YouTubeやSNSで投資の情報を目にすることも増えたけど、逆に情報があり過ぎて、何から手をつけていいかわからない人も結構いるんじゃないかな。実は私もその1人です…。
最近、僕のYouTubeにも、その「わからない」を相談してくれる10~20代の方が増えているんです。というのも、2022年から成人年齢が引き下げられたことで、18歳から自分で証券口座をつくって投資できるようになったんですよね。そういう方たちの中には自分なりに調べて、すでにある程度の知識を身につけていたり、質問のレベルが高い人もいます。
すごいな〜! 私も見習わなきゃですね。
実際に若い世代の投資率が増えているデータもあるんです。日本証券業協会の「NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年9月30日現在)」によると、10代から20代のNISA口座数はここ数年で大きく増加しています。2024年からの新NISAの開始で、その流れはさらに加速しているみたいですね。
また、日本証券業協会の「NISA口座の開設・利用状況(証券会社10社・2024年2月末時点)」によると、2023年12月末時点で、これまで2,200万以上のNISA口座が開設され、約36.7兆円の新規投資が行われてきたことがわかります。つまり、成人の約5人に1人はNISA口座を開設しているということ。NISAは国民の資産形成を支える重要な制度になってきているわけですね。
NISAってそんなに広まってるんですね! でも、なんでこんなに投資を始める人が増えているんですか?
いい質問ですね!日本は少子高齢社会ですし、物価高なども考えると、将来もらえる年金が今より少なくなるのは絶対に避けられません。そうなると、普通の貯金だけでは、老後を安心して迎えられないかもしれないですよね。
確かにそれは困るかも…。
老後の30年間で約2,000万円が不足するという「老後2,000万円問題」もニュースで話題になりましたよね。そこで新NISAを含め、国が投資しやすい環境をつくっていく代わりに、1人ひとりが自分で資産形成する努力もしてね、という流れがあるんです。ここはちょっと押さえておきたいポイントですね。
投資が最近なんでこんなに注目されているのか、よくわかりました! あと、私は将来、親孝行として両親に家をプレゼントしたいなと思っていて。その夢のためにも投資をしてみたいんです。
素敵な夢ですね。じゃあ、今回はまず超基本の「株式投資」の話から始めましょうか。マーシュさん、株式投資ってどんな感じか、なんとなくイメージ湧きますか?
えーっと、会社の株を買ったら株主になって、株価が上がったら儲かる…みたいな?そんな感じであってますか?
まぁ、ざっくり言うとそんな感じではあるんですけど…(笑)僕の方で株式投資のわかりやすいイラストを用意したので、もう少し突っ込んで見ていきましょう!
かわいいイラストですね! でも、投資は「ゆっくりだけど、着実に資産を増やしていくもの」って、一体どういうことなんでしょうか?
順番に説明していきますね。まず、さっきマーシュさんが言った通り、僕たちは将来が期待できる会社の株を買い、株主になります。そして会社は株で集めた資金を元手に、新しい製品やサービスを開発する。その製品やサービスが世の中にウケたら、会社の業績も上がります。
会社の業績が上がると、その会社に投資したい人がさらに増えるので株価は上がりますし、株主に還元される利益も大きくなります。だから、成長する企業の株を長い間じっくりと持ち続けていれば、私たちが受け取る利益もどんどん増えていく。これが株式投資の考え方の基本です。
なるほど! 株式投資ってなんとなくギャンブルみたいなイメージがあったんですけど、だいぶイメージが変わりました。
一般的なギャンブルは投資ではなく「投機」ですね。投機とは、短期間で利益を得ようとする行為のこと。たとえば、パチンコや競馬、宝くじは、買った当日や数日後には結果が出ますよね。
たしかに。ギャンブルはすぐに結果がわかるイメージです。
しかもギャンブルは、運営元の取り分を考慮すると、賭けた側が大きなマイナスを被ると言われています。
えっ! そうなんですか?
はい。パチンコなら集まったお金の約15%、競馬は約25%、宝くじはなんと約50%は運営元の取り分になってしまうので、全体で見ると、参加者が大きく損をすることになってしまう。だから、割に合わないんですよ。
知らなかった〜! 投資とギャンブルって全然違うんですね。ということは、ドラマとかで見るような株の値動きをたくさんのモニターでずっとチェックして、すぐに売り買いするのは投資じゃないってことですか?
それはいわゆる「トレード」というもので、僕の考える投資とはちょっと違います。さっきも言ったように、投資というのは目先の動きに一喜一憂するのではなく、会社の成長を見守りながら、長期的なスパンでじっくり利益を増やしていくもの。そんな心構えでいるのが良いと思います。
もちろん、長期的な投資をしたからといって、利益が必ずしもプラスになるというわけではありません。でも、堅実にお金を増やしていきたいなら、投資が一番現実的な手段だと思います。多くの人が普段働いてお金を稼いでいると思うんですけど、投資はいわば「お金にも働いてもらう」ことなんです。
なるほど、私とお金のダブルワーク体制ってことですね! ちなみに、初心者が投資を始める第一歩として、何かおすすめはありますか?
まずはNISA制度を利用することですね。マーシュさん、NISAについてはどれくらい知ってますか?
えーっと名前は聞いたことあるんですけど、ちゃんと説明できるかっていうと…。
NISAは箱(口座)だと思えばOKです。普通の口座だと、投資で得た利益には20%税金がかかるんですが、NISA口座だと非課税なので利益を丸ごと受け取れるんです。
NISAって投資の商品名だと思っていたけど、お得な口座のことなんですね!
そうなんです! さらに、2024年1月に新しく生まれ変わった新NISAでは年間の投資枠が大幅に拡大しただけでなく、非課税期間が無期限になるなどパワーアップしました。この無期限というのは、若い世代にはとっては大きなアドバンテージです。若い頃からより長い時間をかけて投資を行うことで、元のお金が何倍にも増加する可能性がありますからね。
じゃあ、早く始めるに越したことはないですね。投資ってなんだか難しそうでハードルが高いと思ってたけど、小林さんの話を聞いて俄然やる気が出てきました! 次は投資する銘柄の選び方についても教えてほしいです!
次回はマーシュ彩さんが、銘柄の選び方や日常生活で投資スキルをアップさせるコツ、さらに新NISAとともに話題のETF(上場投資信託)について学んでいきます。
第2回もお楽しみに!