Special Column

NASDAQ100が秘めるビッグ・ポテンシャルとは?

積極的な研究開発を行うNASDAQ100企業

ポートフォリオの長期的な成長を求める投資家にとって、イノベーションに取り組む企業を見つけることは不可欠です。業界が大きな進歩によって絶えず混乱している時代において、企業は生き残り、繁栄するために革新的であり続けなければなりません。

NASDAQ100には、革新的なイノベーションに取り組む多くの企業があります。

これらの企業がイノベーターとして認識されている主な理由は、平均してS&P500およびラッセル1000成長指数の企業よりも研究開発(R&D)に多くを費やしていることからもうかがえます。

各指数ごとのR&D投資金額

各指数ごとのR&D投資金額

研究開発とは、独自技術や製品開発を行うための企業活動をひろく指す用語です。情報技術分野やバイオ分野といった先端分野のみならず、多くの業界においてNASDAQ100企業のような大規模な研究開発を行う企業の優位性がさらに高まっていくと予想されます。

世界中の人がアップル製品を使い、ネットフリックスを視聴し、マイクロソフト・オフィスを用いて仕事をする現代社会においては、こうした優位性が企業にさらなる投資余剰をもたらします。これを効果的に研究開発に充て、さらなる顧客ロイヤリティーにつなげる好循環を生み出す企業が生き残っていくでしょう。

研究開発への投資だけが企業のパフォーマンスを決めるわけではありませんが、世の中に大きなインパクトを与えるようなイノベーションを起こすには、先端技術へのまとまった資本投下が必要になります。

イノベーション投資の基礎としてのNASDAQ100

ハーバード・ビジネス・スクールの教授を務めていたクレイトン・クリステンセン教授によれば、イノベーションは持続的イノベーション(既存技術の持続的な性能向上)と破壊的イノベーション(既存事業の秩序を破壊して、業界構造を劇的に変化させるイノベーション:蒸気機関や自動車=破壊的技術)に分類できるようです。

一般に、企業(特に大企業)は収益を増やして投資家を満足させなければならないため、収益性の低い案件、不確実性の極めて高い案件への資本投下を躊躇う傾向があるとされます。破壊的技術はその初期の段階では新しく、小規模な顧客しか得られない傾向があるうえに、従来の価値基準に当てはまらないため、新規参入者や新興企業のほうが破壊的技術への資本投下が行いやすいと考えられています。

一般的な企業が「持続的イノベーション」への資本投下を重視している企業が多いのに対して、比較的若いNASDAQ上場企業はより「破壊的イノベーション」への資本投下を重視する企業が多いのかもしれません。たとえば、ウェブ会議システムで圧倒的な認知度を得たズーム社(2020年NASDAQ100採用)は創業が2011年と日が浅く、創業者が現在もCEO(最高経営責任者)を務めています。

破壊的イノベーションにおけるNASDAQ100企業の占める特許の割合

NASDAQ100企業の占める特許の割合

上記は破壊的イノベーションと考えられるテーマごとに占めるNASDAQ100企業の特許の割合です。AIやビッグデータといった破壊的イノベーションにつながる今日の先端技術において、NASDAQ100企業は中心的な役割を果たしていることは、こうした技術分野におけるNASDAQ100企業の知財特許の割合からうかがうことができます。

この中のどれだけの技術が実用化され、大きな成果につながるかは事前には分かりませんが、かつて人や馬に頼っていた輸送手段を自動車や蒸気機関に置き換えたような、将来の革新的なイノベーションにつながるポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。

(出所)Help Build an Innovative Core With Funds That Access the NASDAQ-100 Indexより一部抜粋&加筆