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成長力に期待して投資先を選ぶなら「FANG+」に注目! 躍進を続ける米国のビッグテック企業

米国にはグーグルやアマゾン、アップルといった、今や私たちの生活に欠かせない大企業が数多くあります。そんな米国の世界的大企業のみを10社集めた株価指数が「NYSE FANG+指数」です。この記事では、今後も長期的な成長が期待できる投資先候補の1つであるFANG+の魅力と、FANG+に投資する方法について説明します。

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この記事の目次

投資で資産を大きく増やすなら、より大きな成長が期待できる投資対象を選ぶ

投資の目的は人それぞれでさまざまですが、長期の資産形成をする場合は、目先の値動きに一喜一憂せずに「10年後、20年後に大きく増やす」という観点が重要となります。そのためには、長期的な成長力を備えた投資対象をいかに選ぶかが重要です。

株式を投資対象とする場合、成長する投資先を選ぶ観点として「国・地域」と「業種・セクター」が挙げられます。

成長する投資対象の選び方① 国・地域

日本や米国など各国の株式市場は、長期的には国全体の経済の規模を表すGDPと連動して成長していくことが期待されます。IMF(国際通貨基金)が公表している2023年の実質GDP成長率は、日本が約1.7%、米国が約2.9%に対し、インドは約8.2%。各国の株価指数とGDPの長期的な推移を見ても、日本、米国、インドで伸び方は大きく異なります。今後も経済成長の余力が大きいと考えられる国・地域の株式市場は、有力な投資先となりえます。

日本・米国・インドを代表する株価指数の推移

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※2000年1月4日~2024年11月19日。2000年1月4日を100として指数化
出所:ブルームバーグのデータより大和アセットマネジメント作成

成長する投資対象の選び方② 業種・セクター

同じ株式でも、業種やセクターによって株価の値動きの傾向は異なります。この先、長期にわたって成長していくと考えられる業種・セクターに絞った投資ができれば、例えば株式市場全体に投資するETFやインデックスファンドへの投資と比較して、より大きなリターンが狙える可能性が開けます。

例えば米国には業種別株価指数がありますが、2020年からの各指数の動きを見ても、以下のように業種ごとに大きな違いがあることがわかります。

米国の主なセクター別指数の比較

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IT……S&P 500 Information Technology
ヘルスケア……S&P 500 Health Care
金融……S&P 500 Financials
一般消費財・サービス……S&P 500 Consumer Discretionary
※2020年1月2日~2024年11月19日。2020年1月2日を100として指数化
出所:ブルームバーグのデータより大和アセットマネジメント作成

米国を代表するビッグテック企業「FANG」

セクター別指数よりさらに投資対象を絞り込み、米国企業の中でも特に高い成長力が期待される少数の銘柄に着目するという考え方もあります。その1つが「FANG」です。

FANGとは2015年に作られた造語で、フェイスブック(メタ)、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)という4社の頭文字を取ったもの。いずれもビッグテック(世界的に大きな影響力を持つ巨大IT企業)と呼ばれる、創業以来大きく成長してきた企業です。

FANGの4社の特徴

企業名 特徴
フェイスブック(会社名はメタ・プラットフォームズ) 世界最大級のSNSプラットフォーム。Facebookのほか、Instagramも傘下に持つ。
アマゾン・ドット・コム 世界最大級のオンライン小売業者。クラウドサービスのAWSも運営。
ネットフリックス ストリーミング配信サービスの大手。オリジナル動画コンテンツが人気。
グーグル(会社名はアルファベット) 検索エンジンの最大手。動画配信のYouTubeや、基本ソフトのAndroidも運営。

もしアマゾンの株を上場直後に買っていたら?

アマゾンが米国株式市場に上場したのは1997年5月15日のこと。仮に上場月の月末の終値でアマゾンの株を買うことができれば、約27年後の2024年10月末時点では、約2,500倍に成長したことになります(なお、アマゾンは過去に配当を出したことがありません)。一般的な株価指数では、ここまでの大きな上昇はほぼ望めないといえるでしょう。

アマゾン・ドット・コムの株価の推移

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※1997年5月末~2024年10月末(月次、終値)
*株価は株式分割後の基準
出所:ブルームバーグのデータをもとに大和アセットマネジメント作成

2000年代前半にはITバブルの崩壊など、インターネット関連企業にとって苦しい時期もありました。2008年のリーマン・ショックでは、株式市場全体が大きな打撃を受けました。アマゾンを始めとする、現在も市場で大きな地位を占めるインターネット関連企業は、そうした危機を乗り越えて成長しました。

FANGなどのビッグテック企業が提供するサービスの需要は拡大の一途をたどっており、時代に合わせて優れたサービスを打ち出した企業が大きく成長してきました。

米国市場を牽引する10社で構成される「NYSE FANG+指数」

FANGの4社に加えて、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、クラウドストライク、サービスナウ、ブロードコムの6社を加えた10社で構成される「NYSE FANG+指数」という株価指数があります(構成銘柄は2024年11月時点)。

FANG+の10社はインターネットサービスを支えるOSやスマートフォン、クラウドサービスを提供する会社など、日本に住む私たちの生活にも欠かせない企業です。

FANG+の6社の特徴

企業名 特徴
アップル iPhoneやMac、Apple Watchなど革新的なハードウェアやソフトウェアを提供。
マイクロソフト PC向け基本ソフトWindowsや、ビジネス用ソフトのOfficeなどを提供。
エヌビディア 生成AIにも用いられるGPU(画像処理装置)を開発。
クラウドストライク コンピューターをサイバー攻撃から守るセキュリティ技術に強みを持つ企業。
サービスナウ 企業のDXを支援するプラットフォームを提供。
ブロードコム 通信インフラ向けを中心に半導体を生産するメーカー。

※2024年11月時点。NYSE FANG+指数の構成銘柄は今後変更される可能性があります。

FANG+はS&P500やNASDAQ100の主要銘柄でもある

米国を代表する株価指数であるS&P500やNASDAQ100の組み入れ比率上位10社を見ると、下表の時点ではFANG+の銘柄がいずれも10社中7社を占めています。特にNASDAQ100では、2024年9月末時点では上位6社だけで全体の約40%を占めており、指数全体の値動きにFANG+が大きな影響を及ぼしています。

S&P500とNASDAQ100の上位組み入れ銘柄

順位 S&P500 (2024年11月末時点) NASDAQ100 (2024年9月末時点)
1 アップル アップル
2 エヌビディア マイクロソフト
3 マイクロソフト エヌビディア
4 アマゾン・ドット・コム ブロードコム
5 メタ・プラットフォームズ メタ・プラットフォームズ
6 アルファベットA アマゾン・ドット・コム
7 テスラ テスラ
8 バークシャー・ハサウェイ コストコ・ホールセール
9 アルファベットC アルファベットA
10 ブロードコム アルファベットC

※太字はNYSE FANG+指数に組み入れられた10社(2024年12月時点)。
アルファベットAおよびアルファベットCはいずれもグーグルの運営会社の株式ですが、アルファベットCは議決権のない株式で、FANG+には組み入れられていません。

FANG+の強さの理由とは?

米国の主要株価指数でも組み入れ上位を占めるFANG+の企業が強い理由として、いずれも世界シェアが高い企業であり、なおかつ研究開発や新規事業の開拓など、さらなる成長に向けた事業投資を活発に行っていることが挙げられます。企業自体の収益性も高い傾向にあります。

強さの理由① 圧倒的なシェアで安定的な収益が見込める

検索サイトではグーグル、PCではWindowsのマイクロソフト、そしてクラウドではアマゾン、マイクロソフト、グーグルが圧倒的なシェアを占めています。この世界的な市場シェアにより、FANG+各社は安定的な収益を生み出し続けることが期待できるのです。

クラウドの世界シェア

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※2024年第1四半期
出所:Statistaより大和アセットマネジメント作成

強さの理由② 新規事業投資による成長期待

FANG+各社は新規事業の開発にも積極的です。例えばアマゾンは通信販売事業だけでなく、音楽配信事業やクラウドサービスにも進出して、いずれも好調です。実際にFANG+の研究開発費はS&P500全体の平均と比べると2倍以上となっており(2022年時点。当時の構成銘柄)、M&A(合併・買収)など事業投資も活発です。新規事業への投資が、FANG+の今後の成長を牽引することが期待できます。

FANG+各社の年間買収・投資件数(2017年~2021年)

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※単位:件
出所:各種資料・ブルームバーグより大和アセットマネジメント作成

強さの理由③ 株価の成長を支える高い収益性

FANG+各社の予想EPS(1株当たり純利益)は、S&P500の平均と比較して高い状況が続いています。株価の上昇は一過性のブームなどによるものではなく、収益性の高さによって支えられていると考えられます。

NYSE FANG+指数とS&P500の予想EPSの推移

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※2019年1月末~2024年11月末、月次。2019年1月末を100として指数化
出所:ブルームバーグより大和アセットマネジメント作成

NYSE FANG+指数に投資するならETFが便利

NYSE FANG+指数への連動を目指す主な金融商品には、投資信託とETFがあります。一般的に、ETFは保有中のコストである信託報酬が低い場合が多く、株式と同じようにリアルタイムで変動する価格を見ながら取引できることが特徴です。

特にFANG+は銘柄数が10と、一般的な投資信託やETFと比較して組み入れ銘柄が少ないため、個々の銘柄の値動きが与える影響は相対的に大きくなります。FANG+のようなビッグテック企業は、決算発表や世の中の動きなどによって株価が大きく動きやすい特徴があるため、リアルタイムで売買できるETFであれば、好機を逃さず投資できる点が便利といえます。

まとめ

長期の資産形成においては、持続的かつ高い成長力が期待される投資対象を選びたいものです。投資対象を選ぶポイントとしては「国・地域」、「業種・セクター」などがありますが、セクターの中でも特に成長力の高い企業群に絞り込むことで、より高い成長力を期待する方法があります。

そうした指数の1つが、米国を代表するビッグテック企業10社で構成される「NYSE FANG+指数」です。構成銘柄の多くがITバブル崩壊やリーマン・ショックを乗り越え、今もなお成長を続けている企業です。仮に、同指数に連動する金融商品に2014年11月末から積立投資を10年間続けたとしたら、元本の6.5倍以上に成長し、S&P500やTOPIXを大きく上回る成果を得られたことになります。

NYSE FANG+指数、S&P500、TOPIXに連動する積立投資のシミュレーション

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※2014年11月末~2024年11月末。円ベース、配当込み。期間中、毎月末日に1万円ずつ積み立てたと仮定して算出(最終月は積立せず)。
出所:ブルームバーグのデータより大和アセットマネジメント作成

「NYSE FANG+指数」には投資信託やETFを通じて投資できます。個々の銘柄の値動きが大きく、個別銘柄が与える影響が大きいFANG+では、リアルタイムで価格を見ながら売買できるETFが向いているといえそうです。

10銘柄で構成されたFANG+は1つの銘柄が指数に与える影響が相対的に大きいため、個々の企業の動向によって短期的な価格変動が大きくなりやすい点には注意が必要ですが、米国のビッグテック系企業が今後も成長を続けると考えるなら、FANG+は資産形成の有力な選択肢の1つになりうるでしょう。

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