公社債投資信託
株式などを投資対象とせず、債券や短期金融資産等を組み入れるものが公社債投資信託である、と定義することができます。ポピュラーなところでは、MMFや中期国債ファンドは公社債投資信託に分類されます。
しかし、債券に投資するファンドだと思っても、投資信託説明書(交付目論見書)の表紙に株式投資信託と記載されているファンドもあります。「公社債投資信託=債券ファンド」であると言えても、実は、「債券ファンド=公社債投資信託」と言いきれないのです。一体基準はどうなっているのでしょうか。
以下、法令や協会分類などの定義を紹介します。
- 【投信法によると・・・】
- 投信法の施行規則に公社債投資信託という言葉がでてきます。この規則には公社債投資信託と認められるための投資対象が列挙されています。この中に株式などは含まれず、債券を主な投資対象とするものが公社債投資信託とされています。
- ちなみに同規則による株式投資信託の定義は、公社債投資信託ではない証券投資信託です。投信法では、投資対象の違いによる区分として証券投資信託とそれ以外の投資信託に分けています。
- 【税法上では・・・】
- 税法上の分類では、投資信託は債券に投資する公社債投資信託とそれ以外の投資信託とに区分されています。
- 【投資信託協会の旧分類によると・・・】
- 投資信託協会の旧分類において公社債投資信託とは、主に公社債で運用され、約款の上では株式や投資信託(マザーファンドを除く)へ一切投資しないファンドです。約款で株式を一株でも組入れることができることとなっているファンドは、主要等投資対象が債券であっても、株式投資信託に分類されてきました(※)。
- MMF、MRF、中期国債ファンドなどは公社債投資信託に分類されています。投資信託説明書(交付目論見書)の表紙の記載は、投資信託協会の分類によるものです。
※株式を組み入れない商品分類(協会分類)として、他のファンドを主要投資対象とするファンド・オブ・ファンズがあります。
債券に投資しても株式投資信託(旧商品分類)
前述のように、従来約款で株式に投資できるとするものは、主に債券に投資するファンドであっても、投資信託協会の分類上は株式投資信託とされてきました。
2002年4月に、公社債投資信託(MMFやMRFのような日々決算型の短期公社債投資信託を除く)に個別元本制度が導入される以前の課税方式では、公社債投資信託の基準価額が1万円を下回った場合には追加設定ができないこととされていました。
その為、主に債券に投資し、実際には株式に全く投資していないファンドであっても、 追加設定が行なえるように約款上は株式に投資できる旨を定めて株式投資信託に分類するファンドが出てきました。
では個別元本制度の導入以後も、株式に投資できるような約款にする理由は何でしょうか。
一つには、商品設計の自由度の違いがあげられます。前述のように公社債投資信託が厳密に定義され、それ以外が株式投資信託と分類されることから、債券を主要投資対象とする場合でも、設計の上でより自由度の高い株式投資信託へ区分けされることを選ぶ場合があるからです。
投資信託協会の分類
投資信託協会の新分類(現行ルール)においては、従来の分類に比べて投資対象を把握しやすい体系に改められており、その代わり課税上の誤認がないように「課税上は公社債投資信託として取扱われます。」、「課税上は株式投資信託として取扱われます。」等の文言が、併せて表示されることとなっています。
| 新旧の分類による表示例 |
- 主に海外の債券に投資するファンド等の一例
- 以前の分類:追加型株式投資信託/バランス型
- 現在の分類:追加型投信/海外/債券 課税上は株式投資信託として取扱われます。
- 主に国内の債券に投資するファンド等の一例
- 以前の分類:追加型公社債投資信託/長期公社債投信型
- 現在の分類:追加型投信/国内/債券 課税上は公社債投資信託として取扱われます。
現在の商品分類表
単位型・追加型 |
投資対象地域 |
投資対象資産 |
独立区分 |
補足分類 |
---|---|---|---|---|
単位型 |
国内 |
株式 |
MMF |
インデックス型 |
※1 「その他資産」には、(商品)や(金銭信託受益権)等の種類を付け加えます。
※2 「資産複合」の場合には(株式・債券)等と、組み合わせ内容を付け加えます。
※3 「独立区分」と「補足分類」は該当する場合のみ表示されます。
*商品分類のほかに「属性区分」があり、更に詳細に分類されています。
関連項目
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