オーストラリア金融政策(2019 年3 月)

  • マーケットレター
  • 2019年03月
~景気、物価、金利、為替は安定~
ポイント
  • RBAは政策金利を1.5%に据え置き
  • 景気は安定し、インフレは懸念されず
  • 債券は小動き、豪ドルは外部要因に依存

RBAは政策金利を1.5%に据え置き

2019年3月5日(現地)、RBA(オーストラリア準備銀行)は市場予想通り、政策金利を1.5%に据え置くことを決定しました。RBAは2016年8月の利下げを最後に、政策金利を据え置いています。

オーストラリア政策金利の推移のグラフ 2010年から2019年3月5日

RBAは前月に公表した最新の金融政策報告書で、2019年のGDP(国内総生産)成長率を10-12月期の前年同期比で3%と想定しています。今月もその見通しを踏襲し、声明文では、設備投資の増加、高水準の公共投資、雇用の増加が成長に寄与すると説明しています。実際、設備投資は鉱業部門の投資こそ一巡しているものの、サービス部門は堅調で、全体として緩やかに増加しつつあります。また、財政収支が改善基調にあるなか、5月の総選挙を見据えて財政政策が打ち出されており、高水準の公共投資が期待されます。雇用情勢は堅調で、失業率は5%と、約7年ぶりの水準にまで低下しています。IMF(国際通貨基金)によれば、世界経済は減速中とはいえ、3%台半ばの成長を保っています。株価の下落を含む、昨年末にかけての金融環境の引き締まりも、年明け後はかなり改善されています。これらのことから、オーストラリア経済は引き続き安定した成長が見込まれます。

オーストラリア失業率の推移のグラフ 2000年から2019年1月

景気は安定し、インフレは懸念されず

景気は安定し、雇用情勢は堅調ですが、賃金の伸びは緩慢にとどまっています。エネルギー価格は年明け後やや上昇していますが、勢いは乏しく、商品市況全般を見ても、ならしてみれば横ばい程度の推移です。RBAは失業率が現在の5%から4.75%へ低下すると想定していますが、その程度の低下では賃金上昇が消費者物価の上昇に与える影響は小さいとみられます。

オーストラリア消費者物価指数推移のグラフ 2010年から2018年

債券は小動き、豪ドルは外部要因に依存

景気と物価が落ち着いているなか、RBAの金融政策は現状維持が長期化しそうです。RBAは2018年4月以降、ほぼ全ての会合の議事録で、金融政策の「次の一手」は利下げではなく利上げとの姿勢を示してきましたが、2019年2月には不確実性の高まりを理由に、金融政策姿勢を中立へ変化させました。確かに、対外的には中国経済の動向、米中の貿易交渉、英国のEU(欧州連合)離脱、国内では軟化する住宅市場の先行きなど、リスク要因はいくつもあります。しかし、現行の金融政策の下で、インフレ率は緩やかに上昇するとRBAは判断しており、直ちに金融政策の変更が必要とされる状況ではありません。
したがって、オーストラリアの債券金利は引き続き米国連れの展開が予想されます。当面、米国の金融政策は据え置きが見込まれるなか、オーストラリアの10年国債金利も現在の2%台前半での小動きを想定します。

オーストラリア国債の金利推移のグラフ 10年国債金利  2016年3月から2019年3月5日

豪ドルは金利差が変動要因として働く度合いは低下し、当面は中国経済や市場のリスクセンチメントなどに左右されやすい展開が続くと考えます。景気下支えを目的とした中国の積極的な金融・財政政策が中国経済の安定を、米中の貿易交渉が市場のリスクセンチメントの改善をもたらせば、豪ドルの反発が期待できます。

豪ドルの推移のグラフ 2018年3月から2019年3月5日

以上

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