2019年に中小型株の回復を見込む背景

  • マーケットレター
  • 2019年02月
ポイント
  • 中小型株は昨年後半に下落も年明け以降は落ち着き
  • 株価指標で割高感はみられない
  • 中小型株の高い成長期待は健在
  • 需給面では日本銀行のETF買入れにも注目

中小型株は昨年後半に下落も年明け以降は落ち着き

国内外の株式市場は2018年春頃まで強気相場の様相を呈し、国内株式市場では成長期待のある中小型株、米国株式市場ではFANGに代表される成長株が良好なパフォーマンスを示しました。
しかし、米国10年物国債の利回りが3%に到達したことなどを背景に、市場では米国の中央銀行であるFRB(米国連邦準備制度理事会)が政策金利の引き上げを継続し、その利上げが過度なものとなり景気減速に陥ることを警戒する声が高まりました。株式市場ではこれまで上昇していた銘柄に対する警戒感が強まり、国内株式市場では中小型株が、米国株式市場ではFANG株などが下落しました。
これに対し、パウエルFRB議長が2019年1月に入り「市場の懸念に注意深く耳を傾ける」など金融政策の軟化を示唆したことで、米国の過度な利上げ懸念は大きく後退し、市場のセンチメントも改善しました。
これにより、米国ではFANG株が底入れとなり、国内でも中小型株が底入れ模様となりました。

図表1国内中小型株指数などの動向のグラフ

株価指標で割高感はみられない

株価調整により、TOPIX(東証株価指数)の小型株指数であるTOPIX SmallのPER(株価収益率)はアベノミクス相場の始まった2013年以降の平均を下回る水準にあるため、何らかのきっかけで見直し買いが入りやすい状況にあると考えます。

図表2TOPIXSmallのPERの推移のグラフ

中小型株の高い成長期待は健在

見直し買いが入るきっかけの一つとして期待されるのは中小型株の魅力である成長性です。2019年1月以降に発表された国内企業の決算は事前の市場予想を下回るものも多く、中国経済減速の影響などが感じられる内容となっています。しかし、小型株の業績動向は図表3にある通り、2019年度、2020年度共に大型株と比べて高い伸び率が予想されており、成長
期待は衰えていません。
一方、東証マザーズ市場では高い売上高伸び率が継続している点が注目されます。東証マザーズ市場の銘柄はTOPIXの銘柄と比べて社歴が浅く、より今後の成長期待が株価に与える影響が大きい銘柄が数多く存在する市場であり、他市場と比べ増収率が重要と考えられます。図表4は東証マザーズ市場の四半期ごとの増収率の銘柄数の分布を示したものです。
大幅減収の銘柄も一定数存在するため銘柄選別が大切であることは言うまでもありませんが、直近四半期においても高い増収率を達成する銘柄が多い点は、特に中国経済の減速などの懸念要因がある中で注目されやすいと考えます。

図表3規模別TOPIX指数の予想当期利益の伸び率のグラフ
図表4東証マザーズ市場における前年同期比税収率の状況のグラフ

需給面では日本銀行のETF買入れにも注目

株式需給面では日本銀行によるETF買入れの買入れ方法の変更あるいは、変更への思惑買いも注目されます。日本銀行は現在、年間6兆円程度のETF買入れを行っておりますが、日経平均株価採用銘柄の一部で保有比率が高まっていることが株式市場では懸念されています。この懸念への対応策として、日本銀行は2018年7月に日経平均株価連動型ETFの買入比率の引き下げを発表し、TOPIXに連動するETFの買入比率を高めましたが、今後さらに日経平均株価連動型の買入比率を引き下げ、TOPIX連動型の買入比率を引き上げるとの観測は根強いです。株式需給の側面からみると、この変更は中小型株にポジティブな影響を与える可能性があると思われます。

以上のような点を勘案すると、昨年後半は低調に推移した中小型株ですが、今後は見直される可能性が十分にあると考え
られます。

図表5日本銀行のETF買入によるETF保有金額(簿価ベース)のグラフ

以上

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