オーストラリア金融政策(2019 年2 月)

  • マーケットレター
  • 2019年02月
~景気の下振れリスクの高まりに言及も、金融政策方針は不変~
ポイント
  • RBAは政策金利を1.5%に据え置き
  • 基調インフレ率は2%を下回って推移
  • 豪ドルは中国の景気動向に左右されやすい展開

RBAは政策金利を1.5%に据え置き

2019年2月5日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は市場予想通り、政策金利を1.5%に据え置くことを決定しました。RBAは2016年8月の利下げを最後に、2年半にわたって政策金利を据え置いています。声明文の金融政策方針を記した最終段落は2018年の最初の会合以降一言一句同じで、具体的には、低金利がオーストラリア経済を下支えしていること、失業率の低下とインフレ率の目標への回帰が緩やかながらも見込まれることを記しています。また、金融政策姿勢を維持することが持続的な経済成長ならびにインフレ目標の達成と整合的であるとも述べられています。

政策金利の推移のグラフ

2019年1月に開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、世界経済の減速や金融市場の引き締まり、ならびにインフレ圧力の弱まりを理由に、従来の利上げの方針が様子見姿勢に転じただけに、RBAの判断が注目されていました。RBAは個人消費の見通しと諸都市での住宅価格の下落の影響に係る不確実性を指摘し、オーストラリア経済の下振れリスクの高まりを認めました。しかし、設備投資、公共投資に下支えられ、2019年は3%近傍、2020年はそれをやや下回る程度で、安定的な経済成長を続けるとの見通しを示しました。両年とも3.25%であった3カ月前の見通しからはやや下方修正していますが、当面の金融政策方針の変更を必要とする経済環境ではないとのRBAの判断です。

実質GDP成長率推移のグラフ

基調インフレ率は2%を下回って推移

雇用情勢は堅調で、3カ月前と同様、RBAの見通しでは失業率は現在の5%から2020年には4.75%へ低下し、その過程で緩やかな賃金の上昇が継続するとされています。
しかし、インフレが目立って加速する状況ではありません。実際、2018年10-12月期の消費者物価指数は総合で前年同期比1.8%、基調で同1.75%の上昇にとどまり、RBAのインフレ目標である2~3%の下限を下回りました。特に、基調インフレ率は2016年1-3月期以降恒常的に2%を下回っています。2019年の基調インフレ率については2%と、3カ月前の2.25%から下方修正されています。2020年については2.25%の見通しです。

消費者物価指数推移のグラフ

豪ドルは中国の景気動向に左右されやすい展開

RBAが景気、物価見通しをやや下方修正したとはいえ、オーストラリア経済は他国と比較して安定的に推移しています。RBAは当面政策金利を据え置くと見込まれるため、債券金利は引き続き米国連れの展開が予想されます。米国では当面の追加利上げの可能性が後退し、債券金利は昨年11月以降大幅に低下しましたが、株価の反発とともに、この一カ月は下げ止まっています。このため、オーストラリアの10年国債利回りも現在の2%台前半で当面推移しそうです。

国債金利の推移のグラフ

こうした環境下、豪ドルは米国の金融政策、中国経済、市場のリスクセンチメントなど、外部要因に左右されやすい展開が続くと考えます。米国の金融政策については、利上げ打ち止めも市場で取り沙汰されており、米ドル安豪ドル高要因として働きそうです。また、オーストラリアにとって最大の貿易相手国である中国の景気動向も豪ドルの当面の値動きを左右しそうです。実際、最近の豪ドルは中国の株式相場との相関が強まっています。
景気下支えを目的とした中国の積極的な金融・財政政策が中国経済の安定と市場のリスクセンチメントの改善をもたらせば、豪ドルの持続的な反発が期待できます。

上海総合指数と為替の推移のグラフ

以上

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