米国金融政策(2019年1月)

  • マーケットレター
  • 2019年01月
~金利と量の両面で金融政策姿勢が柔軟化~
ポイント
  • 金融政策姿勢は利上げから様子見に
  • バランスシート政策の調整にも言及
  • 市場は金融政策姿勢の柔軟化を好感

金融政策姿勢は利上げから様子見に

2019 年1 月29、30 日(現地)開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)で、政策金利であるフェデラル・ファンド・レートの誘導レンジが2.25~2.5%に据え置かれました。全会一致の決定です。政策金利の据え置きは市場予想通りでしたが、今回は金利と量の両面で、FOMC の金融政策姿勢が柔軟化したことが特筆されます。

政策金利と国債利回り

声明文の内容は大幅に変化しました。12 月のFOMC の声明文では、経済見通しに係るリスクはおおむね均衡しているとの判断の下、幾らかの漸進的な追加利上げの必要性が記されていました。しかし、それが削除され、「グローバルな経済、金融動向、ならびにインフレ圧力の弱まりに鑑みれば、フェデラル・ファンド・レートをどの程度調整するかが適切であるかを決定するにあたって、FOMC は辛抱強くある」との文章に置き換えられました。ここでの「調整」とは利上げだけでなく利下げも意味し、「辛抱強くある」とは当面の様子見姿勢を示唆します。パウエル議長は記者会見で、中国、欧州での景気減速、英国のEU(欧州連合)離脱や米中の貿易交渉などの政治的な問題、金融環境全般の引き締まり、景況感の軟化等を指摘しつつ、インフレ上振れのリスクや金融の不均衡が生じるリスクも低下したことが今回の決定の背景と説明しました。データ次第ですが、当面の利上げの可能性は大幅に低下したと考えられます。

バランスシート政策の調整にも言及

通常の声明文とは別に、「金融政策の遂行とバランスシートの正常化についての声明文」も公表され、バランスシートの正常化の方針を調整する用意がある点も記されました。また、2017 年6 月に公表された、バランスシート政策の方針に係る声明文からの抜粋ですが、「利下げだけで達成できるよりも緩和的な金融政策が正当化される状況では、バランスシートの規模や構成の変更を含めて、金融政策の全範囲の道具立てを用いる用意がある」ことがあらためて確認されました。パウエル議長は記者会見で、バランスシートの正常化は当初の想定よりも早く、バランスシートの規模も大きい状態で終了するとも述べました。

市場は金融政策姿勢の柔軟化を好感

12 月のFOMC 以後、過度な金融引き締めへの懸念から株価が大きく下落したこともあり、年明け後のFRB(米国連邦準備制度理事会)高官の発言は総じて、市場の懸念を打ち消すよう、利上げに慎重な姿勢に傾斜していました。したがって、今回のFOMC で金融政策姿勢が利上げから様子見に転じることは、ある程度想定されていました。しかし、バランスシート政策については、パウエル議長が12 月FOMC 後の記者会見で、FRB のバランスシートは方針に沿って淡々と縮小させていく意向を明らかにしていただけに、政策の調整にも言及したことはサプライズでした。

FRB が市場に配慮する姿勢を示したことを好感し、市場は債券高、株高、米ドル安で反応しました。世界経済が安定し、政策の不確実性も低下し、インフレ率の高まりが予見される状況にならない限り、FRB の利上げは見送られそうです。一方で、FRB の基本的な経済見通しに大きな変化はなく、持続的な成長の下、力強い労働市場と2%近いインフレ率が実現することが最も可能性が高いシナリオとFRB は考えており、利下げが議論される状況でもありません。
米国の金利ならびに米ドルは当面落ち着いた推移が見込まれます。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和投資信託により作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。