ブラジル金融政策(2020年8月)

  • マーケットレター
  • 2020年08月
0.25%ポイントの利下げ

利下げを実施も追加利下げには慎重な姿勢

ブラジル中央銀行は8月5日(現地)、全会一致で政策金利を2.25%から2.00%に引き下げました。中央銀行は前回会合で追加利下げを示唆しており、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への影響を和らげるため、9会合連続となる利下げを実施しました。声明文では、新型コロナウイルスが世界経済の著しい景気減速を引き起こし、新興国経済も厳しい状況にあるものの、足元のブラジルの経済指標では一部回復もみられると述べられています。また、インフレ見通しについて前回会合から変更はなく、引き続き中央銀行のインフレターゲットの下限を下回ると想定しています。次回の金融政策について追加利下げの可能性を排除しなかったものの、利下げ余地は極めて小さいとの見方を示しており、今後の金融政策は財政支出やインフレ見通し次第で慎重に行うとしています。

足元のブラジルでは、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないもののボルソナロ大統領は引き続き経済優先の姿勢を崩しておらず、一部の経済指標では市場予想を上回るなど経済は底打ち感がでています。原油価格の安定や経常収支の改善基調に加え、市場での米ドル安進行などからブラジル・レアルは底堅く推移しています。また、潤沢な外貨準備高を有しており、対外ぜい弱性が低下していることもブラジル・レアルの下支え要因になると期待されます。それでも目先は、感染拡大が収束するまでの時間軸や経済への影響などの不透明感が依然として強いため、当面は新型コロナウイルスの新規感染者数の動向や実体経済への影響とともに、政権運営に注視していく必要があると考えます。

ブラジルの政策金利とインフレ率の推移 (政策金利:2013年1月31日から2020年8月5日)(インフレ率:2013年1月から2020年6月)
(出所)ブルームバーグ
ブラジル・レアルの推移(2019年8月5日から2020年8月5日)
(出所)ブルームバーグ
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