為替ヘッジコストについて(2020年7月)

  • マーケットレター
  • 2020年07月

⾜元の状況

各国で緩和的な⾦融政策が続いていることや⾦融市場に落ち着きが⾒られることなどを背景に、各通貨の為替ヘッジコストは⾜元おおむね横ばいで推移しています。

⽶ドル円のヘッジコストの推移、ユーロ円のヘッジコストの推移、カナダ・ドル円のヘッジコストの推移、シンガポール・ドル円のヘッジコストの推移(2016年9⽉30⽇から2020年7⽉14⽇)
(出所)投資信託協会の公表値を基に、⼤和アセットマネジメント作成

為替ヘッジコストについて

為替ヘッジにかかるコストは、理論的には「外貨の短期⾦利と⽇本円の短期⾦利の差」となりますが、各通貨の⾒通しや需給などの状況によっては、外貨の調達に対する上乗せ⾦利(ベーシス)が発⽣し、為替ヘッジコストは短期⾦利の差とかい離します。

為替ヘッジコスト上昇要因の表

⾦利要因(⾦利差)

⽇銀の政策金利と海外の中央銀⾏の政策金利の差がヘッジコストに影響します。また、各国中央銀⾏の⾦融政策に対する市場の思惑により、市場が織り込む将来の金利差に変化が⾒られた場合は、ヘッジコストの変動につながります。

需給要因

四半期末の決済資金需要

企業の輸出⼊代⾦などの決済資⾦として外貨の需要が⾼まる場合があります。特に基軸通貨である⽶ドルや、特定の経済圏で決済に広く利⽤されているユーロなどの通貨は、四半期末になると代⾦決済のため、当該外貨の需要が⾼まり、上乗せ⾦利の上昇を通じて、⼀時的にヘッジコストが上昇する傾向があります。

邦銀などの外貨建て資産への投資需要の増加

邦銀などが外貨建て資産に投資する際、為替変動リスクを回避する⽬的で、円を担保に外貨の短期資金の調達を⾏うことが⼀般的であるため、邦銀などの外貨建て資産への投資需要が増加する場合は外貨の上乗せ金利が上昇します。

⽶ドルに関しては下記の需給要因もあります。

リスクからの逃避需要

先⾏きへの不透明感が著しく⾼まると、リスク回避の動きから基軸通貨である⽶ドルの需要が⾼まります。リーマン・ショックや欧州債務危機など、⾦融市場が不安定になると⽶ドルの需要が⾼まり、ヘッジコストが上昇する場合があります。

金融規制による⽶ドルの供給減少

⽶ドルの供給⾯では、リーマン・ショック後に各国で導⼊・強化されたレバレッジ規制や、ボルカールールなどの金融規制が⽶ドルの供給量を減少させる遠因となっています。規制の下では、バランスシートの拡⼤が抑制されるため、国際的な取引を⾏う金融機関はリスク許容量を⼤幅に低下させており、その影響により⽶ドルの供給量が減少します。

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