⾜元の⽶国リート市場と今後の⾒通し

  • マーケットレター
  • 2020年07月

※当資料は、コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インク(以下、コーヘン&スティアーズ社)のコメントを基に大和アセットマネジメントが作成したものです。

⾜元の⽶国リート市場

⽶国リート市場は、新型コロナウイルスの感染拡⼤を背景とする経済活動停滞などの影響を受けて、2⽉後半から3⽉後半にかけて⼤幅に下落しましたが、⾜元では回復を⾒せています。2020年4ー6⽉期において、⽶国リート市場は堅調に推移したものの、⽶国株式市場に対してはやや劣後しています(図1)。依然として新型コロナウイルスの感染拡⼤に対する懸念から、今後もしばらくボラティリティの⾼い市場環境が継続すると考えられる⼀⽅で、⽶国リート各社が⼗分な⼿元資⾦を確保できていること、底堅い収益が予想されることや魅⼒的なバリュエーション等を鑑みると、⽶国リートは引き続き、投資妙味のある資産クラスであると考えています。

図1⽶国リートおよび⽶国株式のパフォーマンス(トータル・リターン、⽶ドルベース)(2020年3⽉31⽇から2020年6⽉30⽇)
(出所)ブルームバーグ、コーヘン&スティアーズ

4⽉から5⽉にかけて、⽶国リート市場のパフォーマンスは⽶国株式市場に対してやや劣後したものの、6⽉単⽉において⽶国リート市場は⽶国株式市場をアウトパフォームしました。⽶国の各州において段階的に経済活動が再開されるなか、商業施設リートの反発が⽶国リート市場全体の上昇をけん引しました。また、⽶国リートの多くのセクターにおいて賃料回収率が90%以上となったことも投資家⼼理の改善につながり、リート市場全体の下⽀えとなりました。

⽶国リートのセクター別リターン

図2 4-5⽉における⽶国リートセクター別リターン(トータル・リターン、⽶ドルベース)(2020年3⽉31⽇〜2020年5⽉29⽇)
(出所)NAREIT、コーヘン&スティアーズ

4-5⽉の期間において、すべてのセクターが上昇しました(図2)。特に1-3⽉期において⼤幅な下落を記録したヘルスケアやショッピングセンターは、相対的に良好なパフォーマンスとなりました。ヘルスケアのなかで、⼤⼿のVentasは⾼齢者住宅以外にも幅広い物件タイプを保有・運営していることを背景に、新型コロナウイルスの感染拡⼤によるマイナスの影響が⽐較的に⼩さいとの⾒⽅から⼤きく反発しました。また、良好な⼈⼝動態を背景に稼働率が⾼くかつソーシャル・ディスタンスに適した住居タイプであることを受けて、⼾建住宅も堅調に推移しました。⼾建住宅のなかでは、⼤⼿のInvitationHomesは、需要増⼤による恩恵を受けて顕著に上昇しました。

図3 6⽉における⽶国リートセクター別リターン(トータル・リターン、⽶ドルベース)(2020年5⽉29⽇〜2020年6⽉30⽇)
(出所)NAREIT、コーヘン&スティアーズ

6⽉において、⽶国の幅広い州および地域において経済活動が再開されたことを受けて、ショッピングモール、ショッピングセンターやその他商業施設を含むすべての商業施設セクターが、その恩恵を受ける格好で堅調に推移しました(図3)。ショッピングモールに関しては、良好な⼩売売上⾼の発表も相まって、6⽉の1週⽬に顕著な上昇となりました。⽶国リート市場全体も⽉初においては底堅い動きとなりましたが、いくつかの州において新型コロナウイルスの新規感染者数が再び増加傾向にあることが確認され、⼀部で経済活動再開の延期が観測されたことを受けて、⽉末にかけて低調なパフォーマンスとなりました。
個別銘柄では、1-3⽉期に⼤きく下落していた商業施設リートのSITE CentersやSpirit Reality Capitalは⼤幅に買い戻されました。⼀⽅で、⼤⼿Host Hotels & Resortsの配当停⽌の発表を受けて、ホテル/リゾートは⼤きく下落しました。

⽶国リートのバリュエーション

図4⽶国リートのNAV(純資産価値)に対するプレミアム/ディスカウントと(図5)⽶国リートのFFO倍率の推移(⽶国リートの価格/FFO)
(出所)コーヘン&スティアーズ

⽶国リートのバリュエーションは引き続き魅⼒的な⽔準にあるとみています(図4-5)。3⽉後半に底を付けてから、バリュエーションは上昇傾向にあるものの、過去5年で⾒た場合、⽶国リートの多くのセクターにおいて、NAVに対するプレミアム/ディスカウントの⽔準がレンジの下⽅にあり、FFO倍率もおおむね魅⼒的な⽔準で取引されています。また、⾜元において⽶国リートのパフォーマンスが⽶国株式に対してやや劣後していることから、相対バリュエーションの魅⼒度も上昇しています。さらに、⽶国の⻑期⾦利が低位で推移するなか、⽶国リートの相対的に⾼い配当利回りは、引き続き同資産クラスの投資妙味を⾼めていると考えます。

今後の⾒通し

今後短期的に市場環境が不安定に推移する可能性もあるものの、⽶国リートの財務体質が健全な⽔準にあることや複数の資⾦調達⽅法により事業運営に必要な資⾦を確保できていることから、中⻑期的にはリートは⽐較的安定したパフォーマンスを達成するとみています。2020年においてリートが保有する不動産の評価価値が下落する可能性が⾼いものの、⽶国リートが創出するキャッシュフローは予想より底堅い⽔準にあります。さらに、⽶国政府や中央銀⾏による前例を⾒ない⼤規模な財政・⾦融政策に加え、新型コロナウイルスの感染が収束に向かうにつれて経済活動が活発化することを考慮すると、今後12カ⽉にかけて⽶国リートは緩やかに回復すると考えています。
セクター別では、新型コロナウイルスによる収益に対するマイナスの影響が想定より⼩さく、バリュエーションが魅⼒的なヘルスケアに投資妙味があると考えます。また、様々なタイプの賃貸住宅や、データ容量やネットワーク性能への需要の⾼まりから恩恵を受けるデータセンターを引き続き選好しています。さらに、主に⼤型の物流倉庫を保有・運営する産業施設にも魅⼒があるとみています。eコマース利⽤の急速な拡⼤を背景に、⾼い物件稼働率および賃料⽔準が同セクターのパフォーマンスを下⽀えすることが⾒込まれるためです。⼀⽅で、オフィスに対してはやや慎重な⾒⽅をしています。在宅勤務制度の利⽤拡⼤や定着により、オフィス・スペースの需要減少につながるとの懸念が⾼まっているためです。

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