オーストラリア金融政策(2020年7月)

  • マーケットレター
  • 2020年07月
現状の政策を維持

不確実性の高さに言及するも、当面は現状の政策を据え置く見込み

7月7日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利と3年国債利回りの誘導目標を0.25%とする現状の金融政策を据え置くと発表しました。今回は、国内外で新型コロナウイルスの感染第2波が懸念されていることに対するRBAの認識が注目されました。声明文では、新型コロナウイルスが収束する目処が立たないことによって、国内外ともに経済見通しに対する不確実性が高いことが強調されています。しかし、総じてみれば、金融市場の状況が改善していることや国内外の景気が最悪期を脱し回復に向かっているという認識は前回から大きく変わっていないと言えます。

現状の政策が発表された3月19日以降、オーストラリアの3年国債利回りは0.25%近傍で安定した推移が続いており、RBAは5月6日を最後に国債・準政府債の購入を見送っています。一方で、雇用の最大化や物価の安定という目標を達成する見通しは立たず、今後数年は利上げに転じるのも難しいと思われます。

なお、豪ドルは3月19日をボトムに対米ドルで大きく上昇してきましたが、今会合の声明文でも為替レートについての言及がありませんでした。ロウRBA総裁は6月22日にオーストラリア経済が相対的に健全であることや商品価格の上昇を理由に「現時点で豪ドルが過大評価されていると主張するのは非常に難しいだろう」と述べていました。そのため、足元で感染第2波が懸念されているビクトリア州を中心とした国内における新型コロナウイルスの感染状況、銅や鉄鉱石など資源価格の動向、などを注視する必要があると考えています。

オーストラリアの政策金利と国債利回り(2018年1月初から2020年7月7日)
(出所)ブルームバーグ
銅価格と豪ドル(対米ドル)レート(2018年1月初~2020年7月6日)
(出所)ブルームバーグ
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