インド株式市場⾒通し

  • マーケットレター
  • 2020年04月
新型コロナで急落。⼀⽅、農村部の可処分所得に明るい兆し
ポイント
  • 相場回顧︓新型コロナにより2020年は急落
  • 新型コロナ対策︓全⼟封鎖と同時に、財政・⾦融による景気対策を発表
  • 株式⾒通し︓忍耐の時。⼀⽅、農村部の可処分所得に明るい兆し

新型コロナにより2020年は急落

2019年は景気回復期待により堅調推移

2019年のインド株式市場は、インフレ率抑制とインド・ルピー安回避のための⾦利引き上げによる景気低迷が続く中、始まりました。しかし、その後は、インド準備銀⾏(中央銀⾏、RBI)の利下げやモディ政権の財政政策による景気浮揚効果への期待を⽀援材料に、底堅く推移しました。特に、年末に向けては、2020-21年度国家予算案への期待なども加わり、史上最⾼値を更新しました。

インド株と為替の推移のグラフ 2018年12月28日から2020年3月30日
(出所)ブルームバーグ

予算案への失望とコロナ感染拡⼤により下落

2020年は、発表された国家予算案が期待外れだったことから、2月以降上値を抑えられると、YESバンクの破綻なども重なり、値下がりしました。さらに、追い打ちをかけるように新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大幅に下落しました。
為替についてもインド・ルピー安円⾼が進んでいます。海外投資家の資⾦引き上げの動きや、税収の伸び悩みやコロナ対策などによる政府の財政負担への懸念がインド・ルピー安の材料になっています。

新型コロナ対策:全⼟封鎖と同時に、財政・⾦融による景気対策を発表

インド政府は、3月25日から3週間にわたる全⼟封鎖を発表、感染拡大防止を何よりも優先しています。
⼀⽅で、経済対策として、インド政府は1.7兆インド・ルピー(約2.5兆円)相当の救済計画を発表しました。また、3月27日には、インド準備銀⾏も、政策⾦利を4.40%へ、0.75%ポイント引き下げました。

インドにおける主な新型コロナ対策

インド国内では、2月末には数名だった感染者数が、ここ数日で1000人を超え、感染が広がっています。
インドの人口を考えれば、まだ感染拡大の初期段階といえる段階で全⼟封鎖という強硬策に出たこと、さらに財政、⾦融政策を続けて打ってきたことは評価に値します。当面は、インド国内で新型コロナの感染拡大が収まるかどうかが、最大の焦点でありますが、今後も、感染者数が落ち着き、経済活動が正常化するまで、財政・⾦融政策などあらゆる⼿だてが施されていくと考えています。

株式⾒通し:忍耐の時。⼀⽅、農村部の可処分所得に明るい兆し

インド株式市場においても、感染者数の抑制が確認できるまで、しばらく忍耐が必要と考えています。
しかし、インド経済には、他の新興国と比較して、右表のようなポジティブ要因があると考えています。特に、3〜6月に収穫期を迎えるラビ作(冬作)が今季は豊作だと期待されており、約6割の人口を占める農村部において、可処分所得の増加が期待できる点は、好材料であります。
感染の収束が⾒通せるようなタイミングでは、株式市場も、農村部の消費拡大を期待して評価していくと考えています。

他の新興国と⽐較したインドの魅⼒
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