欧州の⾦融政策について

  • マーケットレター
  • 2020年03月
迅速な⾦融緩和措置で⾦利上昇を抑制

ユーロ圏、英国とも量的緩和政策を⼤幅に拡⼤

新型コロナウイルス問題に対応して、欧州で相次いで⾦融緩和措置が打ち出されています。ECB(欧州中央銀⾏)は2020年3⽉12⽇(現地、以下同様)に、昨年11⽉から⽉200億ユーロのペースで再開している資産購⼊に追加して、2020年末までに資産購⼊残⾼を1200億ユーロ増額することを決定したばかりですが、3⽉18⽇には緊急対応として、総額7500億ユーロの新たな資産購⼊の制度を創設しました。特筆されるのは、新たな制度の下での柔軟な資産購⼊の⽅針で、短期的には特定国の資産を基準を上回って購⼊する可能性にも⾔及しています。イタリアなど周辺国国債の利回り急上昇に配慮した措置と考えられます。

BOE(イングランド銀⾏)も3⽉11⽇に政策⾦利を0.75%から0.25%へ引き下げたばかりですが、3⽉19⽇には0.1%への追加利下げと資産購⼊の拡⼤を決定しました。BOEは資産購⼊残⾼を4450億ポンドから6450億ポンドへ2000億ポンド増額するとし、できるだけ速やかに購⼊を完了する⽅針です。

ユーロ圏でも英国でも、政府による財政刺激策の拡⼤で国債の発⾏が⼤幅に増加すると⾒込まれるなか、結果的には中央銀⾏が債券市場を下⽀えする格好です。現在は新型コロナウイルスの感染拡⼤と経済活動の停滞とで市場の不安⼼理が増幅されていますが、⾦融・財政政策による最⼤限の措置で市場の不安⼼理を抑えつつ、新型コロナウイルスの感染拡⼤を阻⽌する強⼒な政策が奏功するのを待つ段階です。

ドイツとイタリアの⻑期⾦利(2016年1⽉初〜2020年3⽉20⽇)
BOEの政策⾦利と資産購⼊残⾼(2010年1⽉〜2020年3⽉)
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