オーストラリアの臨時金融政策会合

  • マーケットレター
  • 2020年03月
追加利下げや国債買い入れ策などを発表

フォワード・ガイダンスとイールド・カーブ・コントロールの導入

2020年3月19日(現地、以下同様)、RBA(オーストラリア準備銀行)は利下げや国債買い入れなどの金融緩和パッケージを発表しました。具体的には、(1)政策金利を0.50%から0.25%へ引き下げるとともに、経済が完全雇用に向けて前進しインフレ率が目標の2~3%内で安定するとの確信が得られない限り利上げに転じないというフォワード・ガイダンスの導入(2)3年国債利回り0.25%近傍で推移するよう国債などの買い入れを行うイールド・カーブ・コントロールの導入(3)主に中小企業の資金繰りを支援するために、0.25%の固定金利で3年間、少なくとも900億豪ドルを金融機関に供給する制度の創設、などです。

RBAは3月16日に国債買い入れなどの用意をしており具体的な政策を19日に発表するとアナウンスしていましたので、今回の発表にサプライズはありません。発表後の為替市場の反応は限定的です。ただし、(2)において市場の想定よりもターゲットとなる年限が短く、また目標が低く設定されたため、国債利回りは短期ゾーンを中心に低下し、一方で長期ゾーンは上昇しました。

政府は3月12日に176億豪ドル規模の景気刺激策を発表しましたが、追加の政策を準備している模様で近く発表されそうです。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するための移動制限などで経済活動の停滞は避けられない情勢ですが、今後も金融・財政政策を総動員して景気を下支えすることが期待されます。

オーストラリアの金利と為替(2016年1月初~2020年3月19日)
オーストラリア国債のイールド・カーブ
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