英国の緊急利下げについて

  • マーケットレター
  • 2020年03月
政府の予算案発表と同⽇の積極果敢な⾦融政策対応
ポイント
  • 新型コロナウイルスへの緊急対応として財政政策と協調
  • 0.5%ポイントの利下げ、新たな流動性供給の枠組み、資本制約の軽減
  • 経済活動の⼆次的悪化を防ぐための効果的な措置

新型コロナウイルスへの緊急対応として財政政策と協調

3⽉11⽇(現地、以下同様)、BOE(イングランド銀⾏)は新型コロナウイルスの広がりへの緊急対応として、利下げ、新たな流動性供給の枠組みの創設、銀⾏の資本制約の軽減の3つからなる政策パッケージを打ち出しました。昨年12⽉の総選挙で勝利した保守党による政権が2020年度予算案を発表するこの⽇に、約2週間後の定例の⾦融政策委員会を待たずしてBOEも動くとの期待が市場で⾼まっていました。カーニーBOE総裁、スナク財務相は、⾦融・財政当局の協調により、⼀体として最⼤の政策効果をもたらすことを確実にするための措置であることを強調しました。

0.5%ポイントの利下げ、新たな流動性供給の枠組み、資本制約の軽減

利下げ幅は先だって利下げを実施したFRB(⽶連邦準備制度理事会)やBOC(カナダ銀⾏)と同じく0.5%ポイントで、政策⾦利は0.75%から0.25%に引き下げられ、過去最低に並びました。BOEによる資産購⼊残⾼については、社債が100億ポンド、国債が4350億ポンドに据え置かれました。利下げ、資産購⼊残⾼の据え置きとも、全会⼀致での決定です。

新たな流動性供給の枠組みは、銀⾏が2019年末の貸出残⾼と2020年中の貸出残⾼の増分に応じて定められる限度額の範囲内で、政策⾦利で最⻑4年間BOEから資⾦を借りられる制度です。中⼩企業向けの貸出の増分が限度額の計算において優遇される仕組みになっており、政府による信⽤保証と合わせて、特に中⼩企業の資⾦繰り⽀援を⽬的としたものです。

銀⾏の資本積み増しの軽減に関して、具体的には、銀⾏が不況に備えて好況時に積み増しておくカウンターシクリカル資本バッファーの⽐率が1%から0%に引き下げられ、0%で少なくとも12カ⽉間据え置かれることになりました。従来は2020年12⽉までに2%へ積み増す必要がありましたが、今回の措置により資本の⼀部を解放することで、最⼤で1900億ポンドの銀⾏貸出に資するとBOEは試算しています。

経済活動の⼆次的悪化を防ぐための効果的な措置

⾦融政策で新型コロナウイルスの感染を⽌めることも、サプライチェーンを修復することもできませんが、ウイルス感染への懸念ではなく、資⾦繰り難や資⾦調達コストの上昇で経済活動が追加的に抑制されないよう、当座は⼗分と考えられる措置をできるだけ効果的に打ち出したと評価することができます。財務省からも2020年度予算案で、新型コロナウイルス対応を含め、GDP(国内総⽣産)⽐で約1.3%に及ぶ300億ポンド規模の財政刺激策が発表されました。仮に状況が⼀段と悪化すれば、BOEはフォワード・ガイダンスの強化や資産購⼊残⾼の拡⼤など、さらに踏み込んだ対応をすることが期待されます。

新型コロナウイルスの広がりを受けて、世界の中央銀⾏が相次いで⾦融政策対応を余儀なくされているなか、3⽉12⽇に予定されているECB(欧州中央銀⾏)理事会、3⽉18・19⽇に予定されている⽇銀⾦融政策決定会合にも注⽬が集まります。

英国の政策⾦利とBOEの国債購⼊残⾼(2010年1⽉初〜2020年3⽉)
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