⽶国の緊急利下げについて

  • マーケットレター
  • 2020年03月
国際協調で新型コロナウイルスの悪影響に対抗
ポイント
  • 経済の下振れリスクに備え、⽶国が緊急利下げを実施
  • G7財務相・中央銀⾏総裁会議も緊急に開催され、共同声明を発表
  • 市場の注⽬点は引き続き新規感染者数の動向

経済の下振れリスクに備え、⽶国が緊急利下げを実施

3⽉3⽇(現地、以下同様)、FRB(⽶国連邦準備制度理事会)は臨時のFOMC(⽶国連邦公開市場委員会)を開催し、政策⾦利(フェデラル・ファンド・レート誘導⽬標)をそれまでの1.50〜1.75%から1.00〜1.25%へ0.5%ポイント引き下げました。新型コロナウイルスの感染拡⼤による経済の下振れリスクの⾼まりに対処するのが⽬的です。FRBが定例のFOMCではなく臨時で政策変更したのも、0.5%ポイント以上の幅で政策⾦利を変更したのも、リーマンショックと呼ばれる⾦融危機が発⽣した2008年以来です。

FRBが臨時、かつ⼤幅な利下げを実施した理由としては、以下のような点が考えられます。

  • 新型コロナウイルスの感染拡⼤を原因とする株価の急落や経済活動の停滞が、⼀過性のものにとどまらず、持続的な景気後退につながるリスクを排除するため
  • ⾜元の市場において、⽶国債利回りが急低下するなど、臨時、かつ⼤幅な利下げを織り込む動きが強まりつつあったことから、政策効果を損なわないよう、市場の動きに先⼿を打つ必要があったため
  • トランプ⼤統領が利下げ要求を強める中、いずれ利下げを⾏うのであれば、早期に実施した⽅がFRBの独⽴性維持のためにも好ましいと考えられるため

G7財務相・中央銀⾏総裁会議も緊急に開催され、共同声明を発表

FOMCに先⽴ってG7(主要7カ国)財務相・中央銀⾏総裁会議も緊急に開催されました。新型コロナウイルスによる経済の下振れリスクなどに対し「全ての適切な政策⼿段を⽤いる」との共同声明が発表され、国際的に協調して問題に対処することが⽰されました。これを受けて直ちにFRBが政策変更に動いたことから、今後、欧州や⽇本も協調して何らかの⾦融緩和策を打ち出してくるとの思惑が強まりそうです。ただし、ECB(欧州中央銀⾏)や⽇銀は、FRBに⽐べると利下げ等の政策余地があまりないため、政策を打ち出すにしても、その実効性を確保するのは容易でなさそうです。

市場の注⽬点は引き続き新規感染者数の動向

FRBの緊急利下げにもかかわらず、同⽇の⽶国株式市場は⼤幅に下落しました。これは前⽇、NYダウが1,300ドル近く急騰するなど、利下げを事前に織り込む動きがあったことの反動と考えられるため、過度に懸念する必要はないと思われます。

今後ですが、市場の注⽬点は引き続き、新型コロナウイルスの⽇々の新規感染者数の増加ペースにあるとみられます。当然ながら、利下げが直接的に新型コロナウイルスの感染拡⼤防⽌に役⽴つわけではありませんので、新規感染者数の増加が今後も継続的に続くようであれば、市場参加者の不安⼼理も払拭されず、利下げの効果発現は期待し難いでしょう。東アジアに⽐べると警戒感が薄かった欧⽶や中東の新規感染者数が増加し、⼀部でそれが加速している点は⼗分に注意する必要がありそうです。しかし、発端となった中国では新規感染者数が⼤幅に減少しているほか、中国の次に感染者が多い韓国も、ここ数⽇は新規感染者数の増加に⻭⽌めがかかりつつあるなど、終息に向けた兆候も⾒られ始めています。

当社では3⽉中にも終息に向けた⽅向性が⾒通せるようになってくると考えています。その場合、1-3⽉期の世界経済の下振れは⾮常に⼤きいものの、市場では4-6⽉期からの回復を期待する動きが徐々に強まってくると考えられます。今回のFRBの利下げや、その他、各国での財政・⾦融政策は、⾜元の経済の下振れ抑制効果は限定的とみられるものの、落ち込みからの回復を促進させる効果は⼤きいと考えられることから、市場に対しても底打ち後の速やかな回復を後押し材料になると予想されます。

⽶国の政策⾦利(1990年1⽉初〜2020年3⽉3⽇)
当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。