インドネシア 金融政策委員会

  • マーケットレター
  • 2020年02月
新型コロナウイルスの影響が懸念されるも、利下げ再開などが景気を下⽀えしよう
ポイント
  • 新型コロナウイルスの影響を懸念し、利下げを再開
  • 当局は懸念するが、新型コロナウイルスの直接的な影響は限定的
  • 追加利下げなど、景気⽀援策が景気を下⽀えしよう

新型コロナウイルスの影響を懸念し、利下げを再開

2⽉20⽇(現地)、インドネシア銀⾏(中央銀⾏)は政策⾦利である7⽇物リバースレポ⾦利を0.25%ポイント引き下げ、4.75%にしました。また⾦利コリドーの上限、下限となる貸出ファシリティ⾦利、預⾦ファシリティ⾦利を0.25%ポイント引き下げ、それぞれ5.50%、4.00%にしました。中国での新型コロナウイルスの感染拡⼤が景気にもたらす悪影響を懸念し、経済の安定と国内の需要を喚起するために先⼿を打って利下げを再開したと考えられます。

中央銀⾏は声明⽂で、新型コロナウイルスの感染拡⼤について、同国の観光業、貿易、投資に悪影響をもたらすとの⾒解を⽰し、2020年の実質GDP成⻑率を従来の「5.1〜5.5%」から⼩幅引き下げ、「5.0〜5.4%」にしました。

さらに、ムルヤニ財務⻑官は2⽉19⽇の会⾒で、「中国の1%ポイントの景気減速は、インドネシアの0.3〜0.6%の景気減速をもたらす。」と発⾔し、中国の景気減速に対して懸念を⽰すなど、政府と中央銀⾏、双⽅が協調して新型コロナウイルスの影響に取り組む姿勢を鮮明にしました。

インドネシアの政策⾦利(2017年初〜2020年2⽉21⽇)

当局は懸念するが、新型コロナウイルスの直接的な影響は限定的

1⽉下旬、新型コロナウイルスの感染拡⼤による世界的なリスク回避の流れの中で、ジャカルタ総合株価指数が⼀時的に⼤きく下落する場⾯がありましたが、その後は下落ペースが鈍化しています。為替市場でも、⽶ドルに対するインドネシア・ルピア安は、限定的なものにとどまっています。また、債券市場は、質への逃避の受け⽫となり、⾦利低下が進みました。リスク回避の局⾯で株、債券、通貨が全般的に売られるかつてのような場⾯は⾒られませんでした。

このようにマーケットが相対的に落ち着いた反応となったのは、⾦融当局が懸念を⽰しているものの、新型コロナウイルスの悪影響が他国に⽐べて相対的に限定的であるためと考えられます。インドネシアは、観光収⼊の対GDP⽐率が相対的に低いことや、GDPに占める国内消費が63%(2019年時点)で、内需主導の経済構造であることなどから、新型コロナウイルスの経済への直接的な悪影響は新興国の中でも相対的に⼩さいと⾒られます。また、中国向けに資源を輸出していますが、新型コロナウイルスの感染拡⼤が終息すれば、需要がリバウンドする可能性が⾼いと考えられます。

追加利下げなど、景気⽀援策が景気を下⽀えしよう

声明⽂ではまた、「物価のコントロール、対外的安定性、経済成⻑のモメンタムを⽀えるために、緩和的な政策ミックスを実⾏すべく、すべての利⽤可能な緩和措置を講じる。」と⽰していることから、今後も追加利下げを⾏う可能性が⾼いと予想されます。

特に、⾜元のインフレ率は、中央銀⾏が定める⽬標「2〜4%」の下限近辺で推移していることや、インドネシア・ルピアの対⽶ドルレートが⽐較的堅調であることなど、利下げを妨げる要因は乏しく、中央銀⾏が景気⽀援に軸⾜を置く環境は整っています。今後は、先⼿を打った追加⾦融緩和や政府の景気刺激策などが景気の下振れ懸念を和らげることで、⾦融市場も安定感を回復していくと想定されます。

GDPに占める観光業の割合
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