J-REIT市場の最近の動向について

  • マーケットレター
  • 2019年11月
⻑期⾦利上昇を受けて東証REIT指数は下落、ファンダメンタルズは良好

⻑期⾦利の上昇を受け、東証REIT指数は下落

東証REIT指数は、10月の騰落率が3.1%と堅調だった一方で、11月に入ると14日までに5.6%下落しました(下図参照)。

東証REIT指数の推移

11月の下落の背景としては、国内外の⻑期⾦利が短期間で上昇したことや10月に国債との利回り差が縮小したことの反動などが挙げられます。⽶中閣僚協議で両国が通商問題の部分合意に⾄ったことが好感され、市場センチメントが改善し株式市場はリスク選好が強まりました。これに伴い、⻑期⾦利は上昇し債券価格は下落しました。

国債利回り

東証REIT指数の分配利回りと国債利回りとの差を⾒ると、2019年9月までは東証REIT指数の上昇が続き、分配⾦利回りは低下する一方、⻑期⾦利も低下したため利回り差は⾼い⽔準を維持していました。10月以降は⻑期⾦利が上昇したため、利回り差は縮小傾向にありました。11月は10月の利回り差縮小の反動と⻑期⾦利の上昇が重なり、東証REIT指数の下落が⼤きくなっているものと考えられます(下図参照)。

東証REIT指数と国債との利回り差

J-REIT市況は引き続き堅調な推移を想定

今後のJ-REIT市況については、⾦利動向が落ち着きを取り戻せば、堅調さを取り戻すと考えております。
⽶国⾦利については、FRB(⽶国連邦準備制度理事会)が10月末のFOMC(⽶国連邦公開市場委員会)で当⾯利下げを様⼦⾒することを示唆したものの、インフレ期待が弱い現状では、短期的には利上げに転じることは難しい状況です。また、国内についても、インフレ目標に到達することは当⾯難しく、現在の低⾦利政策は⻑期にわたって実施され、国内⻑期⾦利のさらなる上昇は想定しづらいと考えます。
J-REITの分配利回りについては、低下したとはいえ、依然として3%以上の⾼い利回りを維持しており、魅⼒的な利回り⽔準といえます。

J-REITのファンダメンタルズを⾒ると、都⼼オフィス空室率は過去最低⽔準を維持、オフィス賃料は上昇基調が続き、東京のオフィス需要の強さがうかがえます。
このように良好なファンダメンタルズを背景に、J-REIT各社の配当⾦の伸びも期待できます。また、相対的に⾼い配当利回りが安定的に期待できるJ-REITへの投資家の需要が下支えとなり、J-REIT市況は引き続き底堅い推移が続くとみています。

都心5区のオフィス賃料・空室率の推移(月次)

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