2019年9月のJ-REIT投資環境

  • マーケットレター
  • 2019年10月
都心オフィス空室率は過去最低⽔準、賃料は継続して上昇
ポイント
  • 都心オフィス空室率は低下、賃料は上昇傾向が続く
  • 投資部門別売買動向は、外国人投資家が大幅な買い越し
  • 東証REIT指数は2007年以来の⾼値更新、2,200ポイントを上回る

都⼼オフィス空室率は低下、賃料は上昇傾向が続く

2019年9月時点の東京都心5区のオフィス・ビル平均空室率(三⻤商事調べ)は、1.64%と8月に比べて0.07ポイント低下しました。新築ビルの竣工がなく、テナントの大きな動きもなかったことから小幅な低下となり、過去最低水準と再び並びました。

平均賃料は、21,855円/坪と前月比で0.33%上昇し、前年同月比の上昇率は6.93%でした。2014年1月から69ヶ月連続の上昇となり、この期間の上昇率は34.85%となりました。

シェアオフィス「WeWork」が東京を中心に積極的に新規拠点の開設を進め、空室率を押し下げている一因と考えられています。この事業を展開する米ウィーカンパニーが上場申請を取り下げるなどネガティブなニュースが出ていますが、日本においてはオフィス面積に占める割合は海外ほど大きくなく、オフィス市況への影響は限定的とみております。

都⼼5区のオフィス賃料・空室率の推移(月次)のグラフ 2007年9月から2019年9月
※対象地区は都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)。
※調査対象ビルは東京ビジネス地区内にある基準階面積が100坪以上の主要貸事務所ビル。建物全部の一括賃貸など特殊な事情のあるビルは、調査対象に含まれておりません。
(出所)三⻤商事

都⼼の賃貸住宅市場は好調、緩やかな賃料上昇が続く

マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)によると、東京23区のマンション賃料は、2011年頃から緩やかな上昇を続けています。

賃料上昇の背景として、地価や建築費の上昇などから、賃貸住宅の新規供給が抑えられていることや、東京都への人⼝流⼊傾向が続き世帯数が増加していることなどがあります。この傾向は今後も続くとみられ、都心の賃貸住宅の賃料環境は堅調に推移することが予想されます。

特に、住宅REITの保有物件に多いシングルタイプや、コンパクトタイプについては、1世帯あたりの人数が減少していることから需要が強く、賃料上昇の恩恵を受けやすいといえます。住宅REITの保有物件の稼働率は⾼水準で推移しています。賃料が上昇することで、賃料収⼊の拡大を通じた分配⾦水準の向上が期待されます。

マンション賃料インデックスの推移のグラフ(エリア:東京23区)2009年Q1から2019年Q2
※部屋タイプ:シングルタイプ18㎡以上30㎡未満、コンパクトタイプ30㎡以上60㎡未満、ファミリータイプ60㎡以上100㎡未満。
(出所)マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)をもとに大和投資信託が作成。

投資部門別売買動向は、外国人投資家が大幅な買い越し

2019年9月のJ-REITの投資部門別売買動向は、外国人投資家が705億円、投資信託が261億円、生保・損保が58億円の買い越しとなりました。一方、個人投資家が419億円、銀⾏が376億円、ETFへの資⾦流⼊が大部分を占めると考えられる証券会社の自己売買部門が176億円の売り越しとなりました。

外国人投資家、国内投資家ともに買い越し

今年度に⼊ってから外国人投資家は売り越し基調が続いていましたが、9月は大幅な買い越しに転じました。J-REIT市場が堅調に推移するなか、再びJ-REITへの投資姿勢を積極化した可能性も考えられます。

また、買い越し基調が続いている生保・損保や投資信託は引き続き買い越しとなり、国内投資家もJREIT市場を買い支えていることがうかがえます。

J-REITの主要投資部門別売買動向のグラフ 2018年10月から2019年9月
※投資部門は上記以外にもあります。
(出所)東京証券取引所

東証REIT指数は2007年以来の⾼値更新、2,200ポイントを上回る

東証REIT指数は、2019年10月4日の終値が2,201.83ポイントと、2,200ポイントを上回りました。7月に2,000ポイントを超えてリーマンショック前の2007年12月以来の⾼水準となりましたが、その後も上昇基調にあります。

J-REITを取り巻く良好なファンダメンタルズや、国内⻑期⾦利が低位で推移していることなどを背景にJ-REIT市場が堅調に推移していることがわかります。

J-REITの魅⼒:安定した配当収益と値上がり益に期待

2008年12月末からの指数の推移を⾒ると、東証REIT指数(配当込み)のリターンはTOPIX(配当込み)を大きく上回っています(下図参照)。J-REITは、⾼い配当利回りを背景に、配当収益が東証REIT指数(配当込み)のリターンの過半を占めており、トータルリターンを押し上げています。J-REITは株式に比べて、安定した配当収益が期待できる資産といえます。

また、J-REIT市場は、海外市場や為替などの影響を受けにくく、堅調なファンダメンタルズを背景に、底堅く推移しています。足元では、配当を含まない東証REIT指数のリターンもTOPIXを上回っているように、値上がり益も十分に狙える資産であるといえます。

東証REIT指数の推移( 2008年12月末〜2019年9月末)
TOPIXの推移(2008年12月末から2019年9月末)
(出所)ブルームバーグデータをもとに大和投資信託が作成。

※TOPIXおよび東証REIT指数に係る知的財産権は、株式会社東京証券取引所(東証)に帰属します。なお、本商品は東証により提供、保証又は販売されるものではなく、本商品に係る損害等について東証は責任を有しません。

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