アルゼンチン金融市場の動向について(2019年8月)

  • マーケットレター
  • 2019年08月
他の新興国市場に与える影響は現時点では限定的

⼤統領選挙の予備選挙で現職のマクリ氏が⼤敗

2019年8月11日(現地)、アルゼンチンでは10月に実施予定の⼤統領選挙の予備選挙が実施されました。その結果、与党連合から出⾺したマクリ現⼤統領が中道左派の野党連合から出⾺したアルベルト・フェルナンデス候補に⼤敗しました。マクリ政権が進める財政緊縮政策によって景気の低迷が続き、国⺠の不満が高まっていたことが今回の結果につながったとみられています。これを受け、アルゼンチンの⾦融市場では、株式、債券、通貨が⼤きく下落する結果となりました。

アルゼンチンは現在、IMF(国際通貨基⾦)から⾦融支援を受けています。マクリ⼤統領は今回の選挙活動の中で、現在IMFとの間で合意している緊縮財政や年⾦、労働等の構造改革を進めていく意思を示していました。⼀方、中道左派の野党連合は、IMFとの合意内容を⾒直すことを示唆するなど、市場にとって好ましくない政策運営に転換するとみられています。市場ではマクリ⽒の劣勢こそ⾒込まれていたものの、⼤差をつけられるのは想定外でした。今回の予備選挙の結果から、市場の先⾏き不安が⼀気に高まった格好となりました。次期政権による政策運営やIMFとの関係悪化に対する懸念が払拭されない限り、アルゼンチンの債券および為替市場は、当⾯不安定な値動きが続くことが想定されます。他方、アルゼンチン市場の不安定化が他の新興国市場に与える影響は現時点では限定的だと考えています。アルゼンチンの状況が同国固有のものであること、アルゼンチン以外の新興国経済はやや減速しつつも底堅く推移しているためです。ただし、今後は米中貿易戦争など、世界経済の先⾏き不透明要因は他にもあることから、他の新興国市場への波及度合いについては慎重に⾒極める必要があると考えています。

為替の推移と利回りの推移のグラフ  2018年8月14日から2019年8月14日
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