⽇⽶株式市場の下落について

  • マーケットレター
  • 2019年08月
逆イールドの発⽣で⽶国景気への懸念が高まる

逆イールド状態が継続するか否かがポイント

8月14日(現地、以下同じ)の米国株式市場はS&P500指数が前日比▲2.93%と⼤きく下落し、国内株式市場もTOPIX(東証株価指数)が15日の前場終値で前日比▲1.18%と下落しました。

きっかけは14日に発表された中国の経済統計において、鉱工業生産や小売売上高など複数の統計で伸び率が前月から鈍化し中国の景気減速が意識されたことや、ドイツの2019年4-6月期のGDPが前期比でマイナス成⻑となったこと、そして、これらを受け10年米国債の利回りが2年米国債の利回りを下回るいわゆる逆イールドが発生したことです。⼀般に景気後退のシグナルとされる逆イールドが発生したことで、米国景気への懸念が高まり株価は⼤きく下落しました。

1990年以降の3回の米国景気後退局面と逆イールドの関係をみると、景気後退局面入りの前に揃って逆イールドが⼀定期間継続しています。しかし、逆イールドが短期で終息したケースもあることや、⼀定期間逆イールドが継続した場合でも当初逆イールドが発生してから実際に景気後退局面に⾄るにはある程度時間(おおむね1年半程度)がかかっていることから、逆イールドの発生は即座に米国が景気後退に陥ることを示すものではありません。

それでも、世界経済のモメンタムが低下傾向にある中、米中通商摩擦や英国のEU(欧州連合)離脱問題、香港のデモなど政治的問題が経済に与える影響が拡⼤するリスクもあり、経済、⾦融環境への不透明感が高まっていることは否めません。まずは、これら各種不透明要素の動向に注意しつつ、各国中央銀⾏の政策や景気対策の動向などをウォッチし、米国の逆イールド状態が短期で終息するか否かを⾒極める必要があると考えます。

⽶国⻑短⾦利差(10年-2年)と⽶国景気サイクルのグラフ 1985年1月2日から2019年8月14日
(注)灰色は米国景気後退期 (出所)Bloomberg、NBER
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