米国リートの足元の状況と今後の見通し

  • マーケットレター
  • 2018年12月
ポイント
  • 2018年12月以降、投資家懸念の高まりなどから下落基調も、米国株式対比の相対パフォーマンスは良好
  • 米国リートのファンダメンタルズは引き続き良好であり、長期投資の観点において投資妙味

※ 当資料は、コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インク(以下、コーヘン&スティアーズ社)のコメントを基に大和投資信託が作成したものです。

足元の米国リート市場について

米国リート市場は、2018年10月以降、底堅い値動きを続けていましたが12月以降に調整局⾯を迎えています。12月に入り、米中貿易摩擦問題に加えて、FRB(米国連邦準備制度理事会)が2019年に向けて緩やかな景気減速が予想される中でも利上げスタンスを継続するとの⾒⽅や、米政府機関閉鎖が⻑引くことへの警戒感など、投資家懸念の⾼まりから市場のボラティリティが上昇しています。しかし、米国リートは、⻑期間にわたる賃貸借契約を基に、比較的安定した収益が得られるといった相対的にディフェンシブな特徴を有することから、このようなボラティリティが⾼まる環境においても米国株式との比較では、底堅く推移しました。また、米国リートはほとんどの収益を米国内から得ており、米国外に保有する不動産から得られる収益はごくわずかであるため、足元の関税引き上げを含む米中貿易摩擦問題による影響を受けにくい資産クラスのひとつです。

米国10年債利回り(⻑期⾦利)は、2018年8月下旬以降に上昇しており、11月上旬には⼀時3.2%超の水準に到達しました。⻑期⾦利の上昇は、米国の失業率の低下、法人減税を主軸とする税制改革や個人消費の拡⼤を伴った⼒強い経済成⻑に起因しています。12月においては、株式市場への不透明感が⾼まるなか、資産の安全な逃避先として米国債が買われ、⻑期⾦利は2.8%以下の水準までに低下しました。

米国リート市場の⾒通しについて

コーヘン&スティアーズ社では、⻑期投資の観点において以下の理由から、米国リートに投資妙味があり、今後も他の資産クラスに対してアウトパフォームする可能性があると考えています。

① 相対的に魅⼒的な米国リートのバリュエーション
② 非上場不動産ファンドによるM&A(企業の合併・買収)活動の活発化
③ 新規物件の供給抑制など良好な米国の実物不動産市場

① 相対的に魅⼒的な米国リートのバリュエーション

株価倍率でみると、米国リートは米国株式よりもプレミアム水準で取引されてきましたが、2013年以降において株価倍率が逆転して米国リートは割安な水準で取引されています。この傾向は、米国リートの潜在的な投資価値を示唆していると考えられます。

米国リート市場の⾒通しについて

② 非上場不動産ファンドによるM&A活動の活発化

コーヘン&スティアーズ社では、非上場不動産ファンドが不動産投資への待機資⾦を豊富に保有しているなか、上場リート同⼠あるいは非上場不動産ファンドによる上場リートの合併・買収などM&A活動が継続するとみており、米国リートにとって追い風となる可能性が⾼いと考えています。さらに、キャッシュフローの安定性という観点から
比較をした場合、リートの事業モデルは⻑期にわたる賃貸借契約という特性の上で成り⽴っており、⾼い収益の持続性および透明性が期待できるため、リートはその他の業種に比べて⼤いに魅⼒があると考えています。

③ 新規物件の供給抑制など良好な米国の実物不動産市場

コーヘン&スティアーズ社は、引き続き上向きの景気サイクルや規制緩和、雇用の増⼤等を背景に、米国経済は2019年にかけて底堅く推移するとみています。着実な雇用改善の継続や規律ある不動産の新規供給に加えて、景気刺激策による効果の逓減を背景として引き続き緩和的な⾦融政策が期待されることから、実物不動産の収益環境の改善を⾒込んでいます。

⼀⽅で、米中貿易摩擦問題やグローバル経済成⻑の鈍化懸念、英国のEU(欧州連合)離脱に対する不安、原油価格の下落などの不確実性が⾼まる可能性があるなか、さまざまな経済環境が変化しても、不動産保有者にとって引き続き有利なファンダメンタルズが継続すると思われます。

今後数カ月にかけて、米国不動産のほとんどのセクターにおいて需要が新規物件供給をやや上回ると予想しています。一方で、景気サイクルの変化や事業の構造的な変化がいくつかの不動産セクターに⼤きな収益格差をもたらす可能性があります。需要に対して新規物件が多く供給されているニューヨークやその他の東海岸のオフィス市場は軟調である⼀⽅で、米国⻄海岸のビジネス中⼼街にあるオフィスは⼒強い雇用成⻑および限定的な新規物件供給の恩恵を受けています。また、住宅セクターに関しては、多くの⼤都市において物件の新規供給が需要に追いつきつつあるものの、底堅い需要の恩恵を受け、引き続き平均を上回るペースでの賃料成⻑が期待できるとみています。eコマースの台頭といった事業環境の構造的な変化、クラウド・コンピューティングの利用拡⼤や、企業による自社開発に⾼いコストおよび技術的な要件を要することから、データセンターの成⻑性には⼤いに魅⼒があると考えています。また、足元ではヘルスケア・セクターやショッピングセンター・セクターのリートが保有する物件に入居テナントの収益が⼤幅に改善していることを背景に、両セクターのリート各社が今後の自社の収益⾒通しを引き上げていることにも注目しています。

以上

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