最近の米国株の下落について

  • マーケットレター
  • 2018年12月
~ 懸念材料が重なり下落加速、市場心理が落ち着けば米国の強さを反映へ ~
ポイント
  • 昨日は、政府機関閉鎖も懸念され大幅下落
  • 12 月に入り、さまざまな懸念材料が重なり下落が加速
  • 過度な不安心理が後退すれば、米国の強さを素直に反映

昨日は、政府機関閉鎖も懸念され大幅下落

2018 年12 月20 日(現地、以下同様)の米国株式市場は、ダウ工業株30 種平均が前日比1.99%安、S&P500 指数が前日比1.58%安、ナスダック総合指数が前日比1.63%安と、19 日に続き大きく下落しました。

18 日~19 日に開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)で、一部の市場参加者が期待していた金融引き締め
政策の中断、あるいはその示唆が明確にはなかったことで、先行きへの懸念が高まりました。また、パウエルFRB(米国連邦準備制度理事会)議長が、今後の金融政策に関しては経済指標などのデータ次第という点を強調したことで、かえって金融政策の予想が立てづらくなり、市場の不安定さを増してしまった可能性もありそうです。

加えて20 日は、翌日にも一部の米国連邦予算が期限切れになるのに対応し上院で可決された2 月までのつなぎ予算に関して、トランプ大統領がメキシコ国境との壁建設予算を盛り込まないならば署名しないとの方針を示したことで、予算切れによる政府機関の閉鎖とその混乱が懸念される状況になったことも、株価下落要因となりました。

12 月に入り、さまざまな懸念材料が重なり下落が加速

米国株式市場は12 月に入りほぼ一本調子の下落となっています。その結果、12 月のダウ工業株30 種平均の下落率は2009 年2 月以来、約10 年ぶりに10%を超えています。このように下落が加速した理由は、以下のような悪材料が重なったためと考えられます。

第一に、米国の要請で中国通信機器大手の副会長をカナダ当局が逮捕したことで、米中の摩擦が、貿易のみならず、さまざまな面で拡大していくのではないかとの懸念が強まったことです。

第二に、中国や欧州などで、景気減速の強まりを示す経済指標が多く発表され、今後の景気、企業業績などの先行き不透明感が意識されたことです。

第三に、ケリー米国大統領首席補佐官の辞任や、マティス国防長官の退任観測など、トランプ政権の屋台骨が揺らぐなか、上記予算の件もあり、政治不安が投資家心理を悪化させたことです。

第四に、下落が加速するなかクリスマス休暇のシーズンが近づいたことで、休暇中のさらなる下落や悪材料の発生を回避するために、休暇前に株式の保有を減らす動きが強まった可能性もありそうです。

過度な不安心理が後退すれば、米国の強さを素直に反映

今後の見通しですが、当面は不安定な推移が続く可能性がありそうです。これまでの短期急落の結果、株価チャート面などからは売られ過ぎ感が強まっており、目先、自律反発の可能性もありますが、冷え込んだ投資家心理は好材料よりも悪材料に敏感と思われ、多少の悪材料でも追加的に発生すれば、再び下落が加速する恐れもありそうです。

しかし、つなぎ予算に関しては、国境の壁建設費を含む予算を下院が可決したと速報されており、政府機関の閉鎖といった混乱回避に向けた動きが出てきています。また、中国では中央銀行である中国人民銀行が、一般の銀行向けの貸出金利を引き下げるなど、景気減速への政策対応が取られつつあります。米中貿易摩擦に関しても、中国が米国に対抗して引き上げていた米国からの輸入自動車などに対する関税の引き下げを表明しており、貿易摩擦の拡大抑制に向け妥協点を探る動きがみられます。

このような動向を受け、投資家の過度な不安心理が徐々に落ち着けば、株価は米国経済、米国企業のファンダメンタルズの強さを再度評価する動きになってくると予想されます。米国株が堅調だった9 月までは、良好な米国景気、米国企業業績の一方で、PER(株価収益率)などのバリュエーション(株価評価尺度)面では、割高感が少なからずありました。

しかし、足元の株価下落ですっかり割高感は払拭されており、米国の良好なファンダメンタルズが素直に反映されやすい状況になってきていると考えられます。

株価とPER(株価収益率)(2005年1月初~2018年12月20日)

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。