カナダ金融政策

  • マーケットレター
  • 2018年10月
~今年3 回目の利上げ。カナダ銀行は追加利上げに前向きな姿勢~

今回の利上げサイクルでは、政策金利を中立的な水準まで引き上げる方針

2018年10月24日(現地)、カナダ銀行(中央銀行)は政策金利(翌日物金利の誘導目標)を0.25%ポイント引き上げて1.75%としました。利上げは今年に入って3度目で、利上げサイクルに入った昨年7月からは5度目となります。

カナダ銀行は声明文で、政府がUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)という新たな貿易協定に合意したことで、企業の投資を抑制していた通商政策をめぐる不透明感が後退するだろうと述べています。一方、米中貿易摩擦が世界経済の成長や商品市場の重しになっていることには警戒感を示しました。インフレ率については、ガソリン価格の上昇など一時的な要因で上振れていましたが、来年初にはその影響がはく落し、2020年末にかけては2%近傍で推移すると予測しています。また、インフレ目標を達成するために「政策金利を中立的な水準まで引き上げる」ことが必要と述べ、これまでの「緩やかなアプローチ」から変更されました。これは、今後の利上げペースは経済動向次第で左右されるものの、今回の利上げサイクルでは中立金利(カナダ銀行は現在2.5~3.5%と推計)まで利上げを行う方針を意味します。

今回の利上げは市場予想通りでしたが、声明文で追加利上げに前向きな姿勢が示されたことなどを受け、金融市場は金利上昇ならびにカナダ・ドル高の動きとなりました。

通商政策の不透明感払拭などを背景に、今年後半の成長率見通しを引き上げ

政策金利の発表と同時に、四半期に一度の金融政策報告書が公表されました。

報告書では、新たな貿易協定の合意により輸出の見通しが引き上げられたことなどから、今年後半の実質GDP(国内総生産)成長率の見通しが上方修正されました。これに伴い、2018年通年でも+2.0%から+2.1%へ成長率見通しが引き上げられました。一方、2019年の成長率見通しは+2.2%から+2.1%に下方修正されました。2019年は企業の設備投資見通しが上方修正されたものの、輸入の増加などが全体の成長率見通しを引き下げると予想されています。

インフレ率については、2019年、2020年とも+2.0%に収まるとの見通しに修正されました。

追加利上げ期待がカナダ・ドルの追い風に

カナダ経済が堅調である背景としては、経済的な結びつきの強い米国の経済が好調であることに加え、労働市場の力強さを背景とした個人消費の拡大があります。一方、通商政策の不透明感が企業の設備投資を後ずれさせたことで、設備稼働率が上昇し需要の増加に対応することが困難になり始めていました。しかし、通商政策に対する不透明感が払拭されたことで、企業の投資マインドが改善しつつあります。このため、生産能力の増強を目的とした設備投資の拡大が促され、今後はカナダ経済の成長ドライバーに加わることが期待されます。

カナダ銀行は、利上げが経済に与える影響やインフレ見通しを考慮しつつ、適切なペースで利上げを行うと述べており、今後発表される経済指標を注視していく必要があると当社では考えています。今後も、利上げ期待の高まりが金利上昇を促し、カナダ・ドルの追い風になることが期待されます。

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