速報・トルコ選挙

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  • 2018年06月
~現職のエルドアン大統領が過半数を獲得し、再選へ~

大統領選挙では、現職のエルドアン大統領が過半数を獲得し、再選を果たす見込み

6月24日(現地)、トルコで大統領選挙と議会選挙が実施され、大統領選挙では最有力候補であった与党・公正発展党(AKP)の現職、エルドアン大統領が過半数を獲得し、再選を果たす見込みとなりました。

今回の選挙を機に、トルコでは議院内閣制から大統領に大きな権限を持たせる実権型大統領制に移行する予定となっています。事前の世論調査ではエルドアン大統領の独裁化への懸念などから、過半数の獲得が難しいのではとの見方もありました。しかし、これまでの経済発展の実績や、地政学リスクが渦巻く中での強い指導者としての人気に支えられ、エルドアン大統領は勝利に至ったとみられます。

議会選挙では、与党AKPは単独過半数を失うも、MHPとの連立では過半数を確保

議会選挙については、与党AKPは単独過半数を失うも、選挙で協力している民族主義者行動党(MHP)との連立では過半数を確保する見通しとなりました。大統領選挙、議会選挙ともに与党が勝利したことで、当面は政治的な安定が見込まれます。

足元のトルコ・リラは上昇。今後の政策運営が注目ポイント

今回の選挙結果を受けて、足元のトルコ・リラは上昇する動きとなっています。ただし、今後はエルドアン大統領の政策運営が注目ポイントと考えています。特に長期的な視点では、大統領の政策運営により、中央銀行の独立性の確保やトルコの経常赤字体質の改善がはかられる必要があると考えています。

エルドアン大統領は、再選した際には金融政策に対してより多くの責任を担うとの主旨の発言をしており、中央銀行の独立性が引き続き、市場での懸念材料となる可能性があります。

一方で、再選を果たしたことから、国民の人気取りを目的とした過度な景気刺激策を終了することで、経常収支の悪化に歯止めをかける可能性もあります。

今後のトルコ・リラの動向については、短期的には政治的な安定がトルコ・リラのサポート要因になると考えられますが、より長い目ではエルドアン大統領の政策運営を注視していく必要があると考えます。

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