ECB理事会について

  • マーケットレター
  • 2018年06月
~ 政策金利を少なくとも来年夏まで据え置き~

資産購入の年内終了と政策金利の来年夏までの据え置き

2018年6月14日(現地、以下同様)開催のECB(欧州中央銀行)理事会では、以下の3つの決定がなされました。

1.ECBによる新規の資産購入は現行の月300億ユーロのペースで今年9月まで継続した後、10月からは月150億ユーロに減額し12月まで続けて終了する。

2.保有証券の償還に伴う再投資は新規の資産購入を終えた後も長期間継続する。

3.政策金利を少なくとも2019年の夏まで現在の水準に据え置く。

ドラギ総裁によれば、決定は全会一致。足元のユーロ圏の景気減速は輸出主導で大幅に上振れた2017年の反動に過ぎず、景気の堅調は広範に及んでおり、高水準の設備稼働率やひっ迫した労働需給が域内のコスト、物価上昇圧力を強めるなか、中長期的に2%のインフレ目標への持続的な収れんが見込まれる一方で、インフレ目標への収れんには大幅な金融刺激が依然必要であるとの判断を受けての決定と説明されました。

基調的なインフレ率の伸び悩み

新規の資産購入の年内終了は市場もほぼ織り込んでいたと思われますが、政策金利を2019年の夏まで現在の水準に据え置くとのフォワード・ガイダンス(先行きの指針)は予想外だった様で、決定を受けてユーロが大幅に下落しています。確かに、ユーロ圏の景気は堅調で、ECBは2018~2020年の実質GDP(国内総生産)成長率をそれぞれ前年比2.1%、1.9%、1.7%と想定しています。また、インフレ率については2018~2020年を通じて1.7%との想定です。しかし、インフレ率は前提とする原油価格の影響が大きく、エネルギーや食品を除いた基調的なインフレ率はこれまで何年にもわたって1%前後での推移にとどまっており、今後2%へ向けて伸びが高まるかは不透明です。失業率が3.8%まで低下している米国でようやくインフレ率が2%に達しつつあることとの比較感からも、利上げに対するECBの慎重姿勢は妥当と思われます。ECBは唯一の政策目標が物価安定であり、インフレ目標達成への取り組みは相対的に強く、「少なくとも」の表現に示される通り、物価動向次第では2019年の夏を越えて政策金利が現在の水準に据え置かれる可能性も低くないと思われます。

世界的に緩和的な金融環境の継続

政策金利に係るECBのフォワード・ガイダンスにより、ユーロ圏の市場金利は全般に抑制されたままと見込まれます。その結果、利上げが先行している米国を含め、他国の市場金利も上昇が抑制されそうです。世界的に緩和的な金融環境は景気の下支え、押し上げ要因として働くことが期待されます。株式等のリスク資産にとってもポジティブと考えられます。

以上

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