トルコ中央銀行は通貨防衛のため緊急利上げに動く

  • マーケットレター
  • 2018年05月

トルコ中央銀行は緊急利上げに動く

トルコ中央銀行は5月23日(現地、以下同様)、後期流動性貸出金利を3.00%ポイント引き上げ、16.50%とすることを決定しました。今回の金融政策委員会は予定されていたものではなく、足元で加速していたトルコ・リラ安を受けて、中央銀行が緊急的な利上げに追い込まれた格好です。

トルコ中央銀行は声明文で物価の安定を支援するために強力な金融引き締めを実行すると決めたとしており、物価の安定のためにあらゆる手段を利用するとの姿勢を引き続き示しました。

中央銀行の緊急利上げを受けて、下落が加速していたトルコ・リラはいったん反発

ここもとのトルコ・リラの動向としては、エルドアン大統領が5月9日に緊急の閣僚会合を開催したことを受けて、市場では中央銀行の通貨防衛策の強化が期待され、いったんトルコ・リラの下落が止まりました。しかし、5月14日にはエルドアン大統領が中央銀行の政策に介入し、利上げを牽制する意向を示したことを受けて、トルコ・リラは再度下落基調となりました。

そして5月22日から23日にかけてトルコ・リラの下落が加速する中で、中央銀行が緊急利上げに動き、トルコ・リラは大幅に反発しています。

過去の大幅利上げ時には通貨は安定するも、長期的には経常赤字体質の改善が求められる

トルコ中央銀行が2011年や2014年に大幅な利上げに動いた際には、その後トルコ・リラは上昇、ないしは横ばいの動きとなりました。今回についても、中央銀行が大幅な利上げを行ったことでトルコ・リラの売り持ちを行うことのコストがより高くなったこともあり、トルコ・リラはいったんは安定を取り戻す可能性があります。

しかし、経常赤字体質といったトルコのファンダメンタルズが改善したわけではないため、政府の通貨防衛姿勢が揺らいだとみなされれば、トルコ・リラは再度市場の標的にされる可能性もあるでしょう。

長期的な視点では、トルコ・リラが安定するためにはトルコの経常赤字体質の改善が求められます。差し当たっては来月に予定されている選挙の動向やその結果、新政権が打ち出すであろうトルコ経済のぜい弱性を改善させるための政策、およびその政策の実行状況を注視していく必要があると考えています。

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