アセアン株式市場の見通し

  • マーケットレター
  • 2018年05月
~米国金利上昇は短期警戒もアセアン景気・企業業績は良好~

米国長期金利の上昇に伴う資金流出懸念が重荷

2018年のアセアン株式市況(図1)は、2017年末と比較しておおむね横ばいとなっています。年初は世界的な株高や商品価格の上昇などを背景に上昇して始まりました。しかし、2月に入ると、米国長期金利の上昇に対する警戒感や世界的な株価の調整を受けて、軟調な展開となりました。その後、堅調な企業業績への期待を背景にいったんは反発したものの、米中貿易摩擦の動向を市場が注視する中、上下する展開となりました。4月末にかけては、再び米国長期金利の上昇を受けた新興国からの資金流出懸念で下落基調となりました。

国別(図2)では、インドネシア市場やフィリピン市場は、共に経常収支赤字国かつ原油純輸入国であり、米国長期金利の上昇に伴う通貨安や、原油価格の上昇による悪影響、そして金融政策運営への懸念などから下落幅が大きくなりました。一方、シンガポール市場は株価指数ウェイトの過半を占め、堅調な業績推移の銀行株主導で上昇しました。

アセアン通貨(図2)は、米中貿易摩擦への懸念、米国長期金利の上昇などを背景にリスク回避姿勢が強まり、おおむね日本円に対して下落しました。国別では、インドネシア・ルピア、フィリピン・ペソは資金流出懸念から下落幅が大きくなりました。一方、マレーシア・リンギットは原油価格の上昇を支援材料に底堅い動きとなりました。

今後の見通し~アセアン景気・企業業績は良好~

アセアン株式市場は、短期的には米国金利の上昇を受けた新興国からの資金流出懸念や米中関係の悪化に対する警戒感などから、引き続き上下に大きく振れる可能性があります。ただ、すでに米国の長期金利上昇はある程度、株価に織り込まれたと考えています。一方で、企業業績は総じて引き続き堅調です。投資家心理が落ち着きファンダメンタルズを反映する相場展開に戻れば、個人消費の回復などを受けた企業業績の拡大期待や各国の年金資金の拡大による株式市場への資金流入などを背景に底堅く推移する見込みです。株価バリュエーションの観点からは、2017年初の水準まで戻しており、投資妙味が増していると考えています。

国別では、幅広いセクターで企業業績の回復が見込まれるシンガポールに注目しています。また、年初来で下落幅の大きいフィリピン市場、インドネシア市場については、フィリピン中央銀行とインドネシア中央銀行は共に利上げを行っていることから、さらなる通貨安への懸念は和らぎ、徐々に投資家センチメントは改善していくことを想定しています。過去と比較して割安な株価バリュエーションも相場を下支えするとみています。

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