ブラジル金融政策

  • マーケットレター
  • 2018年05月
~市場予想に反して政策金利を据え置き~

ブラジル中央銀行は市場予想に反して政策金利を据え置き

ブラジル中央銀行は5月16日(現地)、政策金利を全会一致で据え置きました。

市場では、足元のインフレ率が中央銀行のインフレ目標の範囲(3%~6%)の下限を下回っていることから、政策金利の引き下げが予想されていました。また、中央銀行は前回の金融政策委員会の声明文で、インフレ率が中央銀行の目標に戻る時期が遅れるリスクを低下させるために、適度な追加緩和が適切であるとの見方を示していました。

今回の声明文では、政策金利を据え置いた理由として、リスクのバランスの変化によって、さらなる金融緩和が必要ではなくなったと述べています。グローバル金融市場の見通しは一段と厳しくなっており、変動性が高まっていると述べて、新興国に対するリスク選好度が弱まっていることを指摘しました。今回の据え置きは、ブラジル・レアルの下落によってインフレ率が上昇するリスクを勘案したものとみられます。

さらに、中央銀行は今後の金融政策運営について、今後の状況次第だとしながらも、政策金利の据え置きが適当であるとの見方を示しました。

当社では、今回の政策金利据え置きと声明文を受けて、これまで続いてきた金融緩和サイクルが終了したと見込んでいます。

米国金利上昇による新興国からの資金流出懸念でブラジル・レアルは下落

ブラジル・レアルは足元で下落が続いています。その主な要因は、米国金利の上昇による新興国からの資金流出懸念の高まりであるとみています。

米国では、FRB(米国連邦準備制度理事会)が緩やかなペースでの利上げを進めていく中で、金利の上昇が続いています。対米金利差の縮小により、新興国からの資金流出懸念が高まっており、ブラジル・レアルを含む新興国通貨の下落が続いています。対GDP(国内総生産)比の経常赤字が大きいトルコやアルゼンチンは特に通貨の下落率が大きく、両国とも直近1カ月で通貨防衛のための利上げを迫られました。

ブラジルは上記2国ほど対GDP比の経常赤字が大きくないため、当面は通貨防衛のための利上げに追い込まれるほどの懸念は小さいとみています。しかし、今後も新興国の資金流出懸念を考える上で、米国の利上げペースを注視する必要があります。

引き続き大統領選挙の動向を注視

10月の大統領選挙については、最新の世論調査で、収監されたルラ元大統領の支持率が依然トップとなっています。その他の候補者の中では、極右のボウソナロ氏の支持率が高まっていますが、直近では有力候補のバルボザ氏が出馬を辞退しており、今後も不透明な状況が続きそうです。当社は大統領選挙の動向を引き続き注視するとともに、WeeklyReport「ブラジルの金融市場動向」やマーケットレター等で情報発信を行っていきます。

今後のブラジルの金融市場はグローバル金融市場や大統領選挙の動向に左右される展開が見込まれます。大統領選挙で構造改革の継続に前向きな候補の当選が有力になれば、ブラジルの景気回復とあいまって金融市場にとって好材料になるとみています。

以上

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