ヘッジコストについて

  • マーケットレター
  • 2018年05月

足元の状況

米ドル円の為替ヘッジコスト(3カ月)は、FRB(米国連邦準備制度理事会)が緩やかながらも利上げを継続するとみられる中、高止まりしています。

為替ヘッジコストについて

為替ヘッジにかかるコストは、理論的には「外貨の短期金利と日本円の短期金利の差」となりますが、各通貨の見通しや需給などの状況によっては、外貨の調達に対する上乗せ金利(ベーシス)が発生し、為替ヘッジコストは短期金利の差とかい離します。

金利要因(金利差)

日銀の政策金利と海外の中央銀行の政策金利の差がヘッジコストに影響します。また、各国中央銀行の金融政策に対する市場の思惑により、市場が織り込む将来の金利差に変化が見られた場合は、ヘッジコストの変動につながります。

需給要因

  • 四半期末の決済資金需要
    • 企業の輸出入代金などの決済資金として外貨の需要が高まる場合があります。特に基軸通貨である米ドルや、特定の経済圏で決済に広く利用されているユーロなどの通貨は、四半期末になると代金決済のため、当該外貨の需要が高まり、上乗せ金利の上昇を通じて、一時的にヘッジコストが上昇する傾向があります。
  • 邦銀などの外貨建て資産への投資需要の増加
    • 邦銀などが外貨建て資産に投資する際、為替変動リスクを回避する目的で、円を担保に外貨の短期資金の調達を行うことが一般的であるため、邦銀などの外貨建て資産への投資需要が増加する場合は外貨の上乗せ金利が上昇します。

米ドルに関しては下記の需給要因もあります。

  • リスクからの逃避需要
    • 先行きへの不透明感が著しく高まると、リスク回避の動きから基軸通貨である米ドルの需要が高まります。リーマン・ショックや欧州債務危機など、金融市場が不安定になると米ドルの需要が高まり、ヘッジコストが上昇する場合があります。
  • 金融規制による米ドルの供給減少
    • 米ドルの供給面では、リーマン・ショック後に各国で導入・強化されたレバレッジ規制や、ボルカールールなどの金融規制が米ドルの供給量を減少させる遠因となっています。規制の下では、バランスシートの拡大が抑制されるため、国際的な取引を行う金融機関はリスク許容量を大幅に低下させており、その影響により米ドルの供給量が減少します。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。