~インド企業の業績拡大期待高まる~

  • マーケットレター
  • 2018年01月

2017年7-9月期業績は2四半期ぶりに増益ピッチが再加速

インドの主要株式指数であるS&P/BSE SENSEXインド指数(以下、インドSENSEX指数)の1株当たり利益は2017年1-6月にかけて弱含みで推移しました。2017年7月1日に導入されたGSTはモディ政権が推進している構造改革の一環で中長期では企業、消費者、国に大きな恩恵をもたらすと期待されています。しかし、2017年4-6月期は税率の変更に伴う商品の値札改訂に備えて企業が出荷と在庫を減らしたため、企業業績は当初想定されていたほど伸びませんでした。2017年7-9月期はGSTの円滑な導入に向けた政府の支援もあり業績は大きく回復、増益率も2四半期ぶりに高い伸びとなりました。

景気拡大を阻害していた銀行の不良債権問題と個人消費の減速は解決方向へ

2017年7-9月期は景気面でも反転の兆しがみられました。主要な経済指標の一つである鉱工業生産指数をみると、6月はGST導入に伴う一時的な影響から前年同月比でマイナスに陥りましたが、悪影響も短期的なものにとどまり、7月以降は回復に転じています。GDP(国内総生産)成長率も4-6月期を底に7-9月期は再加速となりました。景気拡大の足かせとなっていた2つの要因、①銀行の不良債権問題と②国内消費の減速、も好転しています。

①銀行の不良債権問題の解決へ前進

インドの銀行が抱える不良債権問題に改善がみられています。7-9月期は不良債権の発生の減少から、インド大手国営銀行5社のグロス不良債権比率は4-6月期から低下しました。銀行が多額の不良債権を抱えていることで、新規貸し出しが抑制され景気全般に悪影響を及ぼしてきました。政府は2017年10月に国営銀行の資本増強策を発表しました。今後、銀行の不良債権処理が進むにつれて、新規貸し出しが増えていくと考えています。

②国内消費は一時的な落ち込みから回復へ

国内消費は過去1年、政府の政策によって大きく翻弄されました。2016年11月にインド政府が突如として発表した高額紙幣廃止策やGST導入に伴う一時的な影響等を受けて消費活動は短期的に落ち込みました。しかし2017年7-9月期は良好なモンスーンやインフレの低下、公務員の給与引き上げ等を受けて堅調な回復が見られました。消費動向の変化があらわれやすい大手日用品メーカーの出荷量に急速な回復がみられます。

消費の拡大およびGSTの本格的な恩恵が企業業績の拡大を後押し

2017年11月現在、ブルームバーグが集計しているアナリスト予想によると、インドSENSEX指数の1株当たり利益は2017年度は前年比10%の伸び、2018年度は同28%の伸びが見込まれており、企業業績は大きく拡大する見通しです。

企業の経営陣は、2017年度下期の業績に関して、良好なフェスティバル・シーズン需要による消費拡大を背景に強気の見通しを示しております。また、2018年度には、インド経済はGST導入による本格的な恩恵を享受することが期待されています。政府はGST導入後に日用品に対する税率を引き下げたため、消費が押し上げられる効果が出てくるものと考えられます。さらに、州をまたぐ生産・物流・販売に対する制約が小さくなるため、企業は配送ネットワークの合理化に取り組み、今後数四半期にわたってコスト削減の効果が期待できます。

このように、消費の拡大を通じたマクロ経済指標の改善、GSTがもたらすコスト削減効果などを受けた企業業績の拡大は、2017年度下期および2018年度にわたりインド株式市場を下支えする要因となると考えられます。

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