カナダ金融政策

  • マーケットレター
  • 2018年01月
~良好な経済などから利上げを実施。今後も緩やかな利上げを継続する見込み~

良好な経済や物価上昇を背景に0.25%ポイントの利上げを実施

2018年1月17日(現地)、カナダ銀行(中央銀行)は政策金利(翌日物金利の誘導目標)を0.25%ポイント引き上げて1.25%としました。利上げは昨年9月以来で、ここ1年で3度目となります。

利上げの背景として、経済が良好なこと、労働市場の緩みの解消および物価上昇がカナダ銀行の想定以上に進んでいることがあるとみられます。カナダ銀行は声明文で、堅調な経済見通しを背景に追加利上げの余地があることを示唆する一方で、経済成長率を潜在成長率程度に維持しながら、インフレを目標値に近づけるために金融緩和環境の継続が必要との認識を示しています。また、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉に対する不透明感が経済見通しに影響を与えているとも述べています。

カナダ経済は、原油価格の底打ちや政府の景気刺激策の効果などもあり、2017年7-9月期の実質GDP(国内総生産)成長率が年率換算で+1.7%と堅調に推移しています。また、2017年12月の雇用統計においては、雇用者数が市場予想を超える増加となり、失業率も5.7%と比較可能な1976年以来で最も低い水準となるなど労働市場も好調です。さらに、直近発表のCPI(消費者物価指数)も前年比で+2.1%とカナダ銀行の目標値+2%を上回る水準まで加速しました。そのため、今回の金融政策決定会合について、市場では利上げ予想が大勢を占めていました。

金融政策報告書で2018年末と2019年末の成長率見通しを引き上げ

政策金利の発表にあわせて、四半期に一度の金融政策報告書が公表されました。

報告書では足元の経済の強さを反映して、2018年末と2019年末の実質GDP成長率の見通しが引き上げられました。好調な民間消費や底堅い設備投資などの要因が大きいと考えられます。インフレ見通しに関しては、2018年末、2019年末ともに変化はなく、インフレの目標値である+2%程度で推移することが見込まれています。

そのため、当社では、カナダ銀行の利上げが今後も緩やかに行われていく可能性が高いと考えています。

NAFTA再交渉に注意が必要も追加利上げ期待や商品市況の上昇基調がカナダ・ドルの追い風

今後について、カナダ銀行の声明文でも述べられている通り、NAFTA再交渉の動向には注意が必要です。NAFTA再交渉の次回会合は、1月下旬に開催される予定ですが、米国の強硬な姿勢にカナダとメキシコから反発の声も聞かれ、協議は難航するとみられています。また、米国がNAFTAから脱退する可能性についても報じられており、仮にそのような事態になった場合には、カナダやメキシコの輸出産業への影響が懸念されます。

NAFTA再交渉の動向には引き続き注視が必要ですが、堅調な経済成長を背景にカナダ銀行は緩やかな利上げを継続すると見込まれます。また、原油価格をはじめとする商品市況が上昇基調にあることから、カナダ・ドルにとって追い風の環境が当面続くと考えています。

以上

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