世界最大の家電見本市「CES」に注目

  • マーケットレター
  • 2018年01月
~IoT、AI、自動運転車などの主導権争い激化~

米国ラスベガスで開催中のCES(Consumer Electronic Show)は、4,000社もの企業が参加する世界最大の家電見本市です。今年の傾向として、自動車関連の展示が増えた、中国企業の展示が増えた、という報道は既にされていますが、そこから読み取れる、次世代製品のトレンドについてお伝えします

IoTはより細分化へ

少し前まで、「インターネットでモノをつなぐこと」に対して総じて「IoT:モノのインターネット」という言葉を使っていましたが、最近は、より具体的な分野を示す表現が好まれるようになってきています。今回のCESでもその流れが鮮明になってきた印象を持ちます。具体的には、従来のIoTは、「AI(人工知能)」、「Autonomous Driving(自動運転)」、「AR(拡張現実)/VR(仮想現実)」のいわゆる「3A」と、今回はコンシューマー向けの展示会のため露出が控えめだった産業向けのIndustrial 4.0、さらに広義のIoTとしてのFintechの大きく5分野に、枝分かれしつつあります。

対照的に、センサーや半導体などの技術開発においては、それぞれの分野を横断して開発が進んでおり、上記の分野の垣根が曖昧になる傾向が見受けられます。例えば自社の半導体をベースにAIプラットフォームや自動運転プラットフォームを提供するエヌビディアは、ゲーミングやAI分野での製品を発表したほか、より大きな経済規模になると見込まれる自動運転車分野で最新製品とその製品を採用した自動運転車のデモ映像を公開し、分野横断的な製品開発力を示しました。

AIとIoTの融合が進む中、スマートスピーカー、スマートホーム市場は拡大へ

Google Home、Amazon Echoに代表されるAIスピーカーは、まだ限られた国でしか販売されていないにも関わらず、既に昨年2,700万台以上売れたと報道されており、急成長しています。昨年のCESではAmazonがハードウェアメーカーとの協業をリードしていましたが、今年は、GoogleもLGやレノボと一緒にスマートディスプレイを発表するなど、ハードウェアの開発にも積極的になってきたとの印象を受けました。

スマートディスプレイは、AIスピーカーに画面/カメラを搭載したもので、これによって、例えば夕飯のレシピを表示したり、家族にテレビ電話をしたり、乳幼児をモニターすることが出来ます。すでにAmazonはEcho Showという製品を昨年発表しており、それに対抗する製品としての位置づけであると思われます。

「モノをインターネットに接続する必要性」、という意味では、AIという付加価値は確実に存在感を増しています。ユーザーの日々の行動パターンを認識し、ユーザーの好みを把握し、最適化してくれる、このAI技術がもたらす新たな付加価値を享受するには、モノをインターネットにつなぐ必要があります。今回の展示会では、照明、冷蔵庫、テレビ、カーナビのみならず、シャワー、鏡などあらゆるものにAIが搭載されており、製品の付加価値を高めていました。

AIの普及スピードを考えると、AIスピーカーという製品の形態もひょっとしたら過渡期の現象なのかもしれません。一家に一台、AIロボットコンシェルジェを置く時代も、そう遠くは無いかもしれません。

自動運転車では大手が主導権争い

自動運転車の分野については、熾烈な主導権争いが続いています。インテルの傘下に入ったMobileyeはVW、BMW、日産に加え、今回新たに、中国上海汽車とのパートナーシップを発表しました。一方で、中国では地図・ネット検索大手のBaiduがエヌビディアとの開発を選んでおり、中国も巻き込んで主導権争いが世界的に繰り広げられています。

また、トヨタの姿勢も著しく変化しました。MaaS(Mobility as a Service)という言葉に代表されるように、保有から利用に業界がシフトする中、同社は、モビリティー・サービスのプラットフォームになるとの構想を既に発表しています。さらに、2017年にはエヌビディアとの提携も発表していることに加え、今回はe-Paletteというコンセプトを立ち上げました。このコンセプトには、アマゾン、Uber、ピザハット、滴滴が参加を発表しています。e-Paletteは自動運転可能な大型バンが、用途に応じて移動店舗になったり、物流になったり、通勤ライドシェアに変化しながらシェアできる、という壮大な構想であり、非常に興味深いコンセプトです。

自動運転車においては、センサー、半導体、地図情報といった技術面の開発とともに、「どのように運用するのか」という点で解決すべき問題が多いのも事実です。

目指す市場が大きければ大きいほど関係者が増え、他社との協業が必要になってくると考えられ、今後もIoT、AI、自動運転車などの分野における主導権争いから目が離せません。

以上

当資料のお取扱いにおけるご注意
  • 当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和アセットマネジメントにより作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
  • 当資料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。
  • 当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。また、記載する指数・統計資料等の知的所有権、その他の一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
  • 当資料の中で個別企業名が記載されている場合、それらはあくまでも参考のために掲載したものであり、各企業の推奨を目的とするものではありません。また、ファンドに今後組み入れることを、示唆・保証するものではありません。