J-REIT市場2018年の展望

  • マーケットレター
  • 2018年01月
~相場転換への環境が徐々に整う~

2018年のJ-REIT市場は堅調な見通し

2018年のJ-REIT市場は、①堅調なファンダメンタルズ、②割安なバリュエーション、③需給環境の改善を背景に転換点を迎え、堅調な相場展開になると考えております。

堅調なファンダメンタルズは継続する見通し

東京オフィス市況は、堅調な需要を背景にオフィス空室率、オフィス賃料ともに良好です(図1)。一方で、2018年はオフィス供給量の増加が予想されていることから、オフィス需給の悪化を懸念する見方があります。しかし、供給量そのものは、過去水準と比較すると大幅な増加とはいえず、また都心オフィスに対する増床ニーズは強く、例えば2018年夏に竣工予定の「渋谷ストリーム」にGoogle日本法人が入居予定との報道があるように、竣工前にテナントが内定しているオフィスもあります。これらを踏まえるとオフィスの新規供給は底堅い需要によって消化され、オフィスの需給環境が大幅に悪化する可能性は低いと見ています。

バリュエーション面での割安感が高まる

堅調なファンダメンタルズの一方で市場が軟調に推移していることから、バリュエーション面での割安感が強まっています。東証REIT指数の予想配当利回りは、オフィス賃料上昇を背景に分配金が増加基調にあることから、4%付近と魅力的な水準にあります(図2)。 また、市場全体のNAV倍率(物件の価値を時価で評価した1口あたり純資産と投資口価格の倍率)は、割安と判断される1倍近辺にあります(図3)。

バリュエーション面での割安さは、J-REIT市場において自社株買い(正確には自己投資口取得)やM&A(REIT同士の合併)という新たな動きを引き起こしています(表1)。 自社株買いについては、NAV倍率が1倍を下回る銘柄において、手元資金の活用先として自社株を取得することは実質的に割安な価格で不動産を購入したのと同じ効果が得られることになります。1口あたり分配金を効率的に向上させるなどのプラス効果がみこまれることから、市場では好感されました。 M&Aについては、2017年11月10日、ケネディクス・レジデンシャルとジャパン・シニアリビングとの合併が発表されました。これは存続会社であるケネディクス・レジデンシャルがNAV倍率において割安になっていたジャパン・シニアリビングを買収する行為とみなすことができます。

海外投資家の資金流入を背景に需給環境は改善へ

東京証券取引所が発表しているJ-REITの2017年11月の投資部門別売買状況をみると、海外投資家の買いが増加し、資金流入が活発化していることがわかります(図4)。ここもと市場の押し下げ要因となっていた、J-REITに投資する投資信託等からの資金流出の影響を吸収していると見ています。 前述のような、良好な事業環境やバリュエーション面の割安感に着目した海外投資家の買い意欲が回復してきたと考えられます。また、海外市場との比較においても、J-REITは主要各国の中でREITと国債の利回り格差が大きく、相対的に割安感があることも好材料となっています(図5)。

J-REIT市場は回復軌道へ

今後は、良好な事業環境に加えて、J-REIT市場の割安なバリュエーションを背景とした新たな動き、海外投資家による買いを中心とした需給環境の改善が市場回復のきっかけになると期待されます。

以上

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