J-REIT市場は底打ちへ

  • マーケットレター
  • 2017年12月
~自社株買いとM&AからうかがえるJ-REITの割安感~

J-REIT市場は大幅反発

東証REIT指数は直近の安値である2017年11月10日から11月21日にかけて4.9%と大幅に上昇しました。この要因として自社株買い(正確には自己投資口取得ですが、株式会社の自社株買いと同等の行為であるため自社株買いと表記します)とM&A(REIT同士の合併)があると考えられます。背景には資産価値でみたJ-REITの割安感が強くなったことがあります。

NAV倍率1倍が引き起こす新たな動き

活況な現物不動産市況の一方でJ-REIT市況が低迷したことにより、NAV倍率(物件の価値を時価で評価した1口あたり純資産と投資口価格の倍率)は市場全体で1倍に近づいています(図1)。これはREITの解散価値と時価がほぼ同等となったことを示し、現物不動産が上昇している環境下では、投資家から割安と判断される大きな材料となります。

NAV倍率が1倍を割った銘柄が生じたことは2つの流れを引き起こしました。自社株買いとM&Aです。

これまでに発表された自社株買いは表1の通りです。簡略化した表現でいえば、NAV倍率が1倍を下回る銘柄において、手元資金の活用先として自社株を取得することは実質的に割安な価格で不動産を購入したのと同じ効果が得られることになります。自社株買いにより1口あたり分配金を効率的に向上させることができます。

M&Aにおいては、11月10日、ケネディクス・レジデンシャルとジャパン・シニアリビングとの合併が発表されました。これは存続会社であるケネディクス・レジデンシャルがNAV倍率において割安になっていたジャパン・シニアリビングを買収する行為とみなすことができます。実際に同社ではこの合併により1口あたり分配金と1口あたり純資産をそれぞれ6%程度増やせると試算しています。

投資信託への解約が需給面での重しとなりJ-REIT価格は下落してきましたが、NAV倍率1倍を契機に純粋な投資家に加えて、投資法人自体という新たなプレイヤーの参加も見込まれ、需給面でプラス材料と考えられます。

NAV倍率での割安感からもJ-REIT市場は底打ちへ

J-REITを取り巻く事業環境は堅調を維持しております。主にオフィス賃料上昇を背景に分配金は増加基調にあり、その利回りも4%台と魅力的な水準にあります(図2)。

これに加えて、NAV倍率1倍が表す資産面からみた割安感の高まりは、J-REIT市況が底打ちのタイミングをうかがう段階に入ったことを示唆すると考えられます。

※東証REIT指数は、東証に上場しているREIT全銘柄を対象とした時価総額加重平均の指数で、現在、東証が算出・公表しているTOPIX(東証株価指数)に準じた方法により算出し、ホームページを通じて終値ベースの指数値(配当込みの指数値を含む)を公表しています。東証REIT指数の指数値及び東証REIT指数の商標は、(株)東京証券取引所の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など東証REIT指数に関するすべての権利及び東証REIT指数の商標に関するすべての権利は(株)東京証券取引所が有します。

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