南アフリカの格下げについて

  • マーケットレター
  • 2017年11月

S&Pは南アフリカの格付けを1段階引き下げ

2017年11月24日(現地)に格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(以下、S&P)は、南アフリカの自国通貨建てと外貨建ての債務格付けを1段階引き下げてそれぞれ「BB+」と「BB」とし、見通しについては「安定的」としました。また、同日に格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)は南アフリカの自国通貨建てと外貨建ての債務格付けを「Baa3」に据え置いたものの、格下げ方向で見直すと発表しました。

格付会社フィッチ・レーティングス(以下、フィッチ)は、2017年4月にすでに同国の格付けを投資適格未満に引き下げていましたが、今回、S&P も南アフリカの格付けを引き下げたことで、主要格付会社3社のうち、2社の格付けが投資適格未満になりました。

格下げは予想の範囲内だったものの、通貨や債券はさらに売られる見込み

今回の格下げの理由として、近年の経済政策の結果として経済や財政の見通しが悪化したことをS&P は挙げています。また、2018 年2 月の予算発表で財政健全化策がとられたとしても、財政を安定化するには不十分だろうとしています。

今回の格付けの引き下げに先立って、南アフリカ政府は10 月に中期財政計画を発表していました。この計画の中で南アフリカ政府は、各年の財政赤字の見通しを下方修正したほか、今後も財政赤字の状況が改善されないとの見通しを示しており、この計画は政府が財政健全化を放棄したと受け止められかねない内容でした。

このため金融市場ではある程度、格付けの引き下げが予想されており、為替や国債金利も調整をしていました。一方で、今回のS&Pの格下げを受けて、主要な先進国債券指数のうち一部の指数から南アフリカが除外されることになり、インデックス投資家からの売りが出てくることが予想されます。

与党の党首選や財政、格付けの動向を注視することが必要

今後については、12月に予定されている与党ANC(アフリカ民族会議)の党首を決める選挙と、2018年2月に予定されている予算発表に注目する必要があります。

次期ANC党首は南アフリカの次期大統領になることが見込まれているため、党首選は事実上の大統領選であるとみられています。ズマ大統領の元妻であり、大衆迎合的な政策をとるとみられるドラミニ・ズマ氏が党首選で勝利すれば、金融市場から嫌気されるとみられる一方で、ラマポーザ副大統領が勝利した場合は金融市場から好感されて、通貨や債券は買い戻される見込みです。

また、今回ムーディーズは格付けを据え置きましたが、2018年2月の予算発表で財政健全化への道筋が示されなければ、ムーディーズも格付けを投資適格未満に引き下げる可能性が高いと考えられます。ムーディーズが格付けを投資適格未満に引き下げた場合、その他の主要な先進国債券指数からも南アフリカが除外されることとなり、インデックス投資家からの売りがさらに出てくるとみられます。このため、財政とそれに伴う格付けの動向も注視していく必要があると考えています。

以上

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