トルコの最近の状況について

  • マーケットレター
  • 2017年10月

2018年~2020年の中期経済・財政計画を発表

トルコ政府は9月27日(現地)に2018年から2020年の中期経済・財政計画を発表しました。2017年および今後3年間の実質GDP(国内総生産)成長率見通しについては、これまでの計画から上方修正され、毎年前年比で+5.5%となる見通しを示しました。またインフレ率についても全体的に見通しが引き上げられ、2017年末時点では前年比+9.5%、2018年以降は徐々に減速し、2020年に前年比で+5.0%まで低下するとしました。財政については歳出拡大の方針が示された一方で、対GDP比での財政赤字を抑えるため、法人税の引き上げや高所得者層の税負担引き上げなどが発表されました。

トルコの2017年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.1%と市場予想をやや下回ったものの、1-3月期(前年同期比+5.2%)に続き、2期連続で5%を超える経済成長を遂げています。7-9月期については、クーデター未遂事件を受けて経済活動が停滞した反動から、さらなる成長加速が見込まれています。

トルコ政府は、引き続きさまざまな経済刺激策を通じて高い経済成長を志向すると考えられ、当面はトルコの景気は底堅く推移すると考えます。

イラク北部のクルド人自治政府が住民投票を実施

イラク北部のクルド人自治区において独立の是非を問う住民投票が実施され、大多数が独立を支持する結果となりました。トルコは自国内のクルド人の独立機運が高まることなどを懸念し、国家安全保障会議を招集したほか、国境付近で軍事演習を行うなど住民投票の実施に反対していました。

住民投票が予定通り実施されたことを受けて、エルドアン大統領は、クルド政府の指導者らに対して周辺地域で「民族紛争」を引き起こしかねないため独立を推し進めないように警告しました。またエルドアン大統領は同国軍の司令官に対して、イラク北部のクルド人自治区における作戦行動の準備を整えるように要請した模様です。しかし現時点では、トルコはイラク北部からの原油輸出制限など強力な経済制裁手段を有していることから、直ちに軍事的介入を行う可能性は低いと考えています。当面は、地政学リスクの高まりに注意が必要な環境が続くと想定します。

タカ派的な金融政策と相対的に高い利回り

9月に行われた金融政策決定委員会では、後期流動性貸出金利を含む、主要政策金利の全てが据え置かれました。引き続き声明文では、引き締め的な金融政策姿勢は、インフレ期待が大きく低下するまで維持されることが示されました。

現在のトルコのインフレ率は、通貨安などの影響から二桁を超える水準となっています。年末にかけてインフレ圧力はやや緩和に向かうと見込まれるものの、中央銀行は当面の間、現状の引き締め的な金融政策を維持すると考えられます。

利下げを実施する新興国が増加している中で、トルコが現状の金利水準を維持するということは、トルコの高い利回りの魅力が相対的に高まることを意味します。

先進国における金融政策の正常化は、世界経済や金融市場に配慮したかたちで緩やかに進められるとみられ、新興国債券市場への悪影響は限定されると考えています。当面は地政学リスクに対する警戒は必要ではあるものの、世界的に経済は安定した推移となっており、相対的に金利の高いトルコ債券は魅力的な投資対象だと考えます。

以上

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