ブラジルのテメル大統領、検察から2度目の起訴

  • マーケットレター
  • 2017年09月
~今後の注目点は財政・予算、大統領選挙へ~

テメル大統領が再び起訴されるも、金融市場は落ち着いた動き

9月14日(現地、以下同様)、ブラジルの検察当局が司法妨害などの容疑でテメル大統領を最高裁判所に起訴したと報道されました。検察によるテメル大統領の起訴は6月の収賄容疑に続き、2度目となります。

検察による起訴は行われたものの、最高裁が起訴を受理して裁判を開始するには、ブラジル下院議会で3分の2以上の賛成が必要です。下院議会はテメル大統領を支える連立与党が多数を占めており、前回同様、最高裁による起訴の受理は回避される見込みです。

また、汚職への取り締まりを主導してきた検察庁長官のジャノー氏が9月中旬に任期を終えました。後任はテメル大統領が指名した別の検事となったため、テメル大統領がさらに起訴される可能性は低下したとみられ、政局の混乱はいったん収束に向かう可能性があります。

5月にテメル大統領の汚職隠ぺい疑惑が報じられた際には、テメル政権への不信感からブラジル金融市場は全般的に下落しましたが、その後は利下げによる景気への下支えなどもあり、回復傾向にあります。

今回の報道直後の金融市場は、前回の起訴同様に起訴の受理が回避される見込みであることなどにより、為替、株式市場は堅調推移となりました。

社会保障改革法案の成立は遅れるが、財政再建への姿勢は保たれる

テメル大統領が進めている構造改革の目玉と考えられる社会保障改革法案の成立は遅れていますが、金融市場への影響は限定的とみています。その背景には、テメル政権が財政再建への姿勢を堅持していることがあると考えています。

2018年10月に大統領選挙を控えるブラジルでは、社会保障改革などの国民にとって痛みを伴う改革が進めにくくなっています。テメル大統領の支持率は歴代大統領の中で最低を記録していますが、テメル政権は連立与党に支持されています。その理由としては、与党議員の間で財政再建の必要性が認識されているためとみられます。テメル政権は、構造改革の優先項目を絞り込むなど見直しを図りつつ、インフラ(社会基盤)事業の民営化や政府系金融機関の貸出金利の適正化など、できる範囲での改革に取り組んでおり、財政再建を進める姿勢を示しています。

市場の注目は財政・予算、大統領選挙へ

社会保障改革法案の成立が遅れる中、市場の注目はすでに社会保障改革法案からその他の構造改革の進捗や、目先の課題である来年度予算案への取り組みに移っているとみられます。また、テメル大統領の失職の可能性が低下しているため、政局に関しても、テメル大統領の進退から2018年10月に行われる大統領選挙へ注目が移っていくと考えられます。

政府による財政再建への姿勢が今後も維持され、来年度予算案などの課題への取り組みが進めば、ブラジル経済に対する信認が改善し、インフレ率が低下する中での利下げによる景気回復と相まって、ブラジル・レアルは下支えされると期待されます。

以上

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