インド株 足元の下落の背景と今後の見通し

  • マーケットレター
  • 2017年09月

インド株式市場は足元、下落基調

インド株の下落が続いています(図1)。2017年9月27日、インドの主要株価指数であるS&P/BSE SENSEXインド指数(以下、インドSENSEX指数)は1.4%下落し、7営業日続落となりました。7営業日続落は2016年12月22日以来のことです。

株価下落で考えられる3つの要因

インドSENSEX指数は下落以前に8営業日続伸しており、利食い圧力が高まりやすい環境にあった中で、主に3つの理由、

①米国金融政策の正常化でインド・ルピーが売られたこと、
②景気刺激策が検討される中、財政規律が緩められるのではとの懸念が高まったこと、
③新規株式公開(IPO)の計画が相次ぐ中、IPO参加のための資金需要による換金売り、

が複合的に絡み合いインド株の下落を誘発したと考えられます。

インド・ルピーをはじめ新興国通貨は、基本的に米国の金融政策による影響を受けやすい特徴を持っています。米国で9月19日~20日にかけて開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、FRB(米国連邦準備制度理事会)が保有する資産の売却を10月から開始すると発表、さらに12月の利上げにも含みをもたせました。結果として、為替市場では米ドル買いの動きが強まり、インド・ルピーは売られる展開となりました(図2)。

4-6月期の実質国内総生産(GDP)は3年ぶりの低水準となりました。これを受けて、目先の景気減速を食い止めるためにインド政府が財政赤字の目標を緩め景気刺激策を検討している、との報道がなされました。財政赤字の拡大は、インド政府が掲げる中長期的な財政健全化目標の達成に対する不透明性を高めることから、通貨の信認の点でネガティブです。インド・ルピーは米国の金融政策による影響に加えて、自国要因からも売りに押され、株式市場を押し下げる一因となりました。

インドではIPOが活況を呈しています。インドでは2016年に続き2017年もIPOが数多く計画されています。例えば、インドの生命保険大手 SBIライフ・インシュアランスはIPOで840億ルピーを調達し上場する予定です。投資家はIPOに参加する際に、事前に資金を手当てしておく必要があるため換金売りが出やすい傾向があります。株式市場が軟調な状況でこうした換金売りで利食いを急ぐ向きが株価の下落基調の一因となったと思われます。

中長期的なインドの将来像を買う流れに変化はなし

今後のインド株式市場は、短期的に不安定な状況が継続する可能性があるものの、次第に堅調さを取り戻す見通しです。米国の金融政策につきましては、緩やかな利上げペースが想定されていることや米金利の水準自体も依然として低水準になることなどから米国の金融政策の正常化をきっかけにインド・ルピー売りが継続する可能性は小さいとみています。4-6月期の経済活動のスローダウンも、昨年11月に実施された高額紙幣廃止による消費の手控えやGST(物品・サービス税)導入前後で企業活動が抑制された影響が一時的な停滞をもたらした側面があると考えられます。GSTの導入は経済活動の効率化をもたらすことから、次第にそのプラス効果が出始め経済成長も加速に転じるものと思われます。

モディ首相が主導する構造改革の進展や個人消費の拡大によるインドの高い経済成長を背景に中長期的なインドの将来像を買う流れに変化はなく、株式市場も上昇基調となる見通しです。

以上

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